日本国紀

著者が明かすように、いわゆる左翼側から攻撃を受けているという「日本国紀」、面白く勉強になった!。

日本国紀

 著者自らが、虎ノ門ニュースなどで執筆中から宣伝をしていた「日本国紀」、是非読みたいと思っていたところ、ようやく手にしました。
 歴史書は著者が東京裁判史観に立っているかどうかで趣きが全く違ったものになると思います。
 もちろん百田さんはその立場ではないので、同様のものにとって素直な気持ちで読むことが出来る一冊だと思いました。

 前宣伝でご自身がおっしゃっていましたが、一般的にそれほど知られていない人物や出来事も取り上げているので、新たな知識を得ることが出来ました。
コラムも面白く、参考になりました。

 百田尚樹さんの「日本国紀」 を紹介するために、以下に目次や目を留めた項目をコピペさせていただきます。
 興味が湧いて、他も読んでみたいと思ったら、本書を手にしていただければと思います。

日本国紀 百田尚樹

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日本国紀 [ 百田尚樹 ]
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目次

序にかえて
 第一章 古代~大和政権誕生
縄文時代/弥生時代(紀元前三世紀~三世紀)/農耕生活と日本人/統一国家へ/当時の日本社会と日本人/倭とは何か/大和朝廷が生まれるまで/銅鐸の謎/朝鮮半島との関係/広間土王碑/神功皇后の謎/倭の五王/古墳時代/継体天皇の登場

 第二章 飛鳥時代~平城京
飛鳥時代(六世紀後半~八世紀初頭)/聖徳太子/十七条憲法の凄さ/飛鳥時代の文化/律令国家へ/白村江の戦いと防人制度/遣唐使/『古事記』『日本書紀』『万葉集』の誕生/仁徳天皇に見る「大御心」と「大御宝」/日本の誕生/律令制度と班田収授法/身分制度/平城京/農民の疲弊/豪族たちの権力争い/長岡京へ

 第三章 平安時代
平安京/成熟の時代へ(国風文化の開花)/武士の誕生/藤原氏の台頭/「崇り」について/武士の反乱/摂関政治の弊害/武士の台頭/戦を嫌う平安貴族たち/院政の時代/保元の乱/平治の乱/平氏の栄光/平氏の没落

 第四章 鎌倉幕府~応仁の乱
鎌倉政権/承久の乱/一所懸命」と「いざ鎌倉」/商業の発達/文永の役/弘安の役/鎌倉幕府の衰退と悪党の台頭/鎌倉の文化/鎌倉の仏教/後醍醐天皇の討幕運動/悪党、楠木正成の挙兵/建武中興/南北朝時代/観応の擾乱/南北朝の統一/足利義満の野望と死/倭寇と勘合貿易/毀誉褒貶の足利義教/守護大名の台頭から応仁の乱へ/室町の文化/応仁の乱/応仁の乱の影響

 第五章 戦国時代
戦国時代の前半/戦国時代の後半/室町幕府の滅亡/乱世の怪物、織田信長/羽柴秀吉による天下統一/鉄砲伝来/キリスト教の伝来/検地と刀狩/キリスト教宣教師の追放/朝鮮出兵/関ヶ原の戦い

 第六章 江戸時代
江戸幕府/三代将軍・家光/江戸幕府の政治体制/鎖国/江戸時代の身分制度/武断政治から文治政治へ/花開く元禄文化/ケインズを二百年以上も先取りした荻原重秀/世界最高の教育水準/赤穂事件/豪商の出現/街道の整備/都市の発展/江戸の食文化/「五公五民」の嘘と「百姓一揆」の真実/家宣から家継、そして吉宗へ/傑物、田沼意次/寛政の改革/一国平和主義の日本/次々に押し寄せる異国船/右往左往する幕府/シーボルト事件と蛮社の獄/内憂外患、揺れる日本/黒船前夜/黒船来航

 第七章 幕末~明治維新
幕府狼狽/開国/桜田門外の変/吹き荒れるテロの嵐/遣米使節団/欧米列強との初めての戦闘/鍋島直正と島津斉彬/小栗忠順/水野忠徳/薩長連合/第二次長州征伐/討幕の密勅/王政復古の大号令/鳥羽・伏見の戦い/江戸無血開城/徳川慶喜という男/小栗忠順の死

 第八章 明治の夜明け
戊辰戦争/五箇条の御誓文/日本大改造/驚異の近代化/明治六年の政変/台湾出兵/朝鮮に開国させる/西南戦争

 第九章 世界に打って出る日本 立憲政治へ/帝国憲法/不平等条約に苦しむ日本/日清戦争/三国干渉/蚕食される清帝国/義和団の乱/火薬庫となる朝鮮半島/日露戦争/日本海海戦/ポーツマス条約/怒り狂う民衆/韓国併合/不平等条約改正の悲願達成/明治を支えた学者たち

 第十章 大正から昭和へ 清帝国の崩壊/戦後の世界/国際連盟の誕生/アメリカの敵意/二十一ヵ条要求に見る日本外交の稚拙さ/ワシントン会議/大正デモクラシー/関東大震災/昭和/統帥権干犯問題/満洲事変/満洲は中華民国のものか/五・一五事件と二・二六事件/ファシズムの嵐/ドイツと中華民国の蜜月/暗躍するコミンテルンと中国/盧溝橋事件から支那事変

  第十一章 大東亜戦争 全面戦争へ/暴れるドイツ/第二次世界大戦/開戦前夜/真珠湾攻撃/戦争目的を失った日本/ミッドウェー海戦と言霊主義/無意味な戦い/神風特攻隊/悪魔の如きアメリカ軍

 第十二章 敗戦と占領 連合国軍による統治/日本国憲法/極東国際軍事裁判/生き残った靖國神社/ウォーギルト・インフォメーション・プログラム/「眞相はかうだ」による洗脳/教職追放/公職追放/占領軍と朝鮮人の犯罪/日本改革/華族制度の廃止

 第十三章 日本の復興 独立するアジア諸国/再び混乱する世界/日本独立/日米安全保障条約/奇跡の経済復興/テレビの登場/日韓基本条約/ソンビのように蘇る自虐思想/朝日新聞が生み出した国際問題/戦時徴用工強制労働の嘘/反日テロ活動/沖縄復帰/大国のはざまで揺れる日本/「ベ平連」の欺瞞/オイルショック/教科書問題/平和ボケ

 終章 平成
平成/バブル崩壊/ソ連崩壊/膨張する中華人民共和国/狂気の北朝鮮/内憂外患/憲法改正の動き/未来へ

  編集の言葉

  謝辞


序にかえて

 日本ほど素晴らしい歴史を持っている国はありません。
 もちろん世界中の国の人々が自分の国について同じように思っていることでしょう。それでも敢えて、日本ほど素晴らしい歴史を持っている国はないと、私は断言します。
 神話とともに成立し、以来二千年近く、一つの国が続いた例は世界のどこにもありません。これ自体が奇跡といえるほどです。
 北太平洋の西に浮かぶ日本列島は豊かな自然に恵まれていますが、一方で、世界有数の地震国であり、台風や河川の氾濫など、人々は常に厳しい自然災害に見舞われてきました。だからこそ、人々は互いに助け合い、仲睦まじく暮らしてきました。同時にどれほどの痛手を受けても立ち直るという力強さを培いました。
 幕末から明治にかけて、日本を訪れた欧米の人たちは一様に、日本人の誠実さ、善良さ、勤勉さに驚いています。これは近世に限ったことではありません。千七百年以上も前に書かれた『魏志』「倭人伝」においても、日本人は盗みをしない、争いをしないと記述されています。私たちの祖先がそうした優しい人たちであったことを、心から嬉しく思います。
 1800年代の終わり、私たちの国は欧米列強によって鎖国の扉をこじ開けられ、強引に世界の舞台に引きずり出されました。当時の世界は欧米列強による植民地争奪戦の時代であり、白人にとって有色人種は「人」ではなく、奴隷に近い存在でした。日本はその暴風の中で独立を保ったばかりか、あっという間に欧米列強に肩を並べる強国となりました。
 ところが、第二次世界大戦により、日本は木端微塵にされました。三百万人以上の尊い命が失われ、国力は世界最貧国ともいえる状況にまで落ちました。しかし、そこから世界が驚倒するほどの復興を見せます。それどころか、戦後の日本は世界の平和に貢献し、多くの発展途上国を援助します。
 これが日本です。私たちの国です。
 ヒストリーという言葉はストーリーと同じ語源とされています。つまり歴史とは「物語」なのです。本書は日本人の物語、いや私たち自身の壮大な物語なのです。


 P418のコラム

   戦後、昭和天皇の戦争責任について様々な意見が出されてきた。もちろん法的には責任は発生しないが、この問題を語る前に、昭和天皇の政治に対するモットーを述べたい。
 大日本帝国憲法の基本原則は、統治権は天皇が総攬するが、実際の政治は政府が行なうということであった。よって「君臨すれども親裁せず」というのが昭和天皇の政治姿勢であっ た。つまり昭和天皇は立憲君主であって、専制君主ではなかった。
 これまで述べてきたように、昭和天皇は御前会議の場でも基本的に閣僚たちの意見を聞いているだけで、自らの意見を□にすることはなかった。そして内閣の決めたことには決して異議を挟まなかった。戦争中、軍部は天皇大権である「統帥権」を盾に、すべては天皇陛下の命令であるという体で国民を動かして戦争に突き進んだというのが実態であった。
 昭和天皇がその生涯において、政治的な決断(親裁)を下したのは、二・二六事件と終戦の時だけであった。
 昭和20年(1945)9月27日、昭和天皇がアメリカ大使館でマッカーサーと初めて会談した時、マッカーサーは昭和天皇が命乞いをしに来たと思っていた。ところが、そうではなかった。昭和天皇はマッカーサーにこう語った。
 「私は、国民が戦争を遂行するにあたって政治、軍事両面で行なったすべての決定と行動に対する全責任を負う者として、私をあなたの代表する諸国の裁定に委ねるためにやって来ました」(「マッカーサー大戦回顧録」)
 この時、同行していた通訳がまとめた昭和天皇の発言のメモに、翌日、藤田尚徳(ひさのり)侍従長が目を通し、回想録に次のように記している。
 「陛下は、次の意味のことをマッカーサー元帥に伝えられている。『敗戦に至った戦争の、いろいろな責任が追及されているが、責任はすべて私にある。文武百官は、私の任命するところだから、彼らには責任がない。私の一身はどうなろうとも構わない。私はあなたにお委せする。この上は、どうか国民が生活に困らぬよう、連合国の援助をお願いしたい』」(『侍従長の回想』)
 マッカーサーは昭和天皇の言葉に深い感銘を受ける。
 「死をともなうほどの責任、私の知る限り、明らかに天皇に帰すべきでない責任を引き受けようとする、この勇気に満ちた態度は、私の骨の髄までも揺り動かした。私は、目の前にいる天皇が、一人の人間としても日本で最高の紳士であると思った」と書いている。
 この時の会談では、車で訪問した天皇をマッカーサーは出迎えなかった。天皇は戦犯候補に挙げられていたので、当然であった。しかし帰る時にはマッカーサーは玄関まで見送りに出ている。おそらく会談中に昭和天皇の人柄に感服したためだと思われる。
 「君臨すれども親裁せず」という存在でありながら、同時に日本の「統治権の総攬者」であった昭和天皇の戦争責任というテーマは、イデオロギーや政治的な立ち位置によって180度見方が変わり、また永久に結論が出ない問題ではある。
 「ご聖断」が遅すぎたという声もある。しかし、仮に半年前に天皇が終戦を決断したとしても、連合国、特にアメリカ政府がそれに同意する保証はないし、日本の陸軍がそれを呑むことはなかっただろう。8月14日の時点でさえ、陸軍の中には、さらなる犠牲を出しても本土決戦をすべきと主張する者が何人もいたのだ。


未来へ

 戦争のない世界は理想である。私たちはそれを目指していかなければならない。しかし残念なことに、口で「平和」を唱えるだけでは戦争は止められない。世界と日本に必要なのは、戦争を起こさせない「力」(抑止力)である。
 日本と対極的な国といえるのが、スイスである。世界で初めて「永世中立」を宣言(文化12年[1815])し、二百年も戦争をしていないスイスだが(ヨーロッパが火の海となった第一次世界大戦でも第二次世界大戦でもスイスの国土は戦火に見舞われなかった)、強大な軍隊を持ち、男子は全員兵役義務がある。兵士の数は人口が約16倍の日本の自衛隊に匹敵し、予備役兵を入れると、自衛隊の十倍以上の兵力となる。スイスは「永世中立」を宣言しているが、他国がスイスを侵略しないとは考えていない。そのために常に侵略に備えているのだ。これが「国防」というものである。
 ちなみにヨーロッパには約50の国家があるが、軍隊を保持していない国はわずかに6ヵ国、そのうちの5ヵ国はバチカン市国やモナコ公国などの都市国家である(比較的大きな国は、北大西洋にあるアイスランドである)。
 日本は明治維新後、72年間に5度の戦争をした。それを考えれば、大東亜戦争後70年以上にわたって一度も戦争をせず、平和を享受してきたことは驚くべきことである。その間、世界の多くの国や地域で悲惨な戦争や紛争が数え切れないほど起き、今も繰り広げられている。そう、日本がいつ戦争に巻き込まれても不思議ではないのだ。この70年以上、戦争がなかったことが奇跡ともいえる。ただ、これはアメリカの圧倒的な軍事力によって抑止されてきただけで、これから先も戦争に巻き込まれないというのは幻想かもしれない。
 平成28年(2016)、自民党の安倍晋三首相は「憲法改正を目指す」と公言した。GHQから押し付けられた「日本国憲法」が施行されて69年、日本の首相として初めて憲法改正を目指すと公言したのだ。これは昭和30年(1955)に自民党が誕生した時の党是であった。自民党は憲法改正を目的として作られた政党でありながら、60年もの間、それに目を瞑っていたのだ。しかしその60年の間に日本を取り巻く国際情勢は激変した。
 安倍首相が改憲を目指すと言った直後から、野党、マスメディア、左翼系知識人、学者、文化人などの、安倍首相への凄まじい報道攻撃および言論攻撃が始まった。もし憲法改正を許すようなことがあれば、70年にわたって、日本の言論界を支配してきたマスコミと左翼系知識人・学者たちの楼閣が音を立てて崩れるからだ。彼らは、不正の証拠がない問題をスキャンダル化し、新聞やテレビは連日、大々的に報じた。その中には悪質な偏向報道やイメージ報道、さらには捏造報道といえるものもあった。大新聞の中にはデモを煽るものもあった。それはまるで百年以上前のポーツマス講和会議後、政府をヒステリックに攻撃し、デモを煽動した新聞社を彷彿させる。
 しかし日本にとって憲法改正と防衛力の増強は急務である。これは机上の空論ではない。
 平成の半ば頃から、国民の多くが日本国憲法の矛盾に気付き始めている。平成20年(2008)頃から、インターネットが普及し、新聞やテレビなどのオールドメディアと呼ばれる存在が影響力を急速に失いつつある。同時に「戦後利得者」といえる左翼系知識人や文化人、そして左翼野党の欺瞞が明らかになってきた。
 今、彼らの嘘に気付き、GHQの洗脳から抜け出しつつある若い世代が増えている。彼らは失われた日本的なものの回復に向けて、静かに、しかし確実に動き出している。もはやその動きを止めることは誰にもできないだろう。私はそんな若者たちを見て感動している。
 「敗戦」と、「GHQの政策」と、「WGIP洗脳者」と、「戦後利得者」たちによって、「日本人の精神」は、70年にわたって踏みつぶされ、歪められ、刈り取られ、ほとんど絶滅状態に追い込まれたかのように見えたが、決して死に絶えてはいなかったのだ。二千年の歴史を誇る日本人のDNAは、私たちの中に脈々と生き続けていたのだ。それが今、復活の時を迎えている。
 50年後、はたして日本はどのような国になっているだろうか。私はその姿を見ることは叶わないが、世界に誇るべき素晴らしい国家になっていることを願いながら、筆を擱(お)く。


編集の言葉

 私 私たちは何者なのか ―― 。この深遠な問いに、作家・百田尚樹さんが答える。本書はそんな一冊です。当代一のストーリーテラーである百田さんが、渾身の筆で紡ぎ出した「日本人の物語」を、一人でも多くの方に読んでいただき、この本をもとに会話を広げていただきたい。そう思いながら編集しました。
 「日本」という島々では、神話とともに国が始まり、その後、人々が、まるで大きな家族のように暮らしてきました。家族のようだからこそ、人々はときには激しく争い、しかし災害や外敵が迫りくれば力を合わせて立ち向かい、懸命に国を造り守ってきたのです。
 色とりどりの細い糸が撚り合わされて一本の太く長い糸となってきたかのような「日本の歴史」。その先端に立っているのが、今を生きる私たちです。日本の歴史を知ることはすなわち自分自身を知ることではないでしょうか。百田尚樹さんが案内する「自らを知る旅」へ、多くの方とご一緒できたことを嬉しく思います。
 末筆ながら、本書の編集にあたり、史実に関するご指導、確認等にご協力くださいました諸先生方に心より感謝申し上げます。
   編集者 有本香

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