秘密戦争の司令官オバマ
大東亜戦争で犠牲になった方々のお陰で今の平和日本があることに改めて感謝します。
これからの日本はどうなるのでしょう?
日本が侵略され、あるいは”多文化共生”を信じて移民を増やし宗教対立が持ち込まれるなどして、混乱することがないよう祈るばかりです。
菅原出さんの「秘密戦争の司令官オバマ」を紹介するために、以下に目次や目を留めた項目をコピペさせていただきます。
興味が湧いて、他も読んでみたいと思ったら、本書を手にしていただければと思います。
日本国の平和な時代を過ごすことが出来て幸運だった・・・。
大東亜戦争で犠牲になった方々のお陰で今の平和日本があることに改めて感謝します。
これからの日本はどうなるのでしょう?
日本が侵略され、あるいは”多文化共生”を信じて移民を増やし宗教対立が持ち込まれるなどして、混乱することがないよう祈るばかりです。
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目次
プロローグ 9
オサマ・ビン・ラディン殺害の現場へ 9 / 秘密戦争をエスカレートさせたオバマ 11
第1章 オサマ・ビン・ラディン暗殺作戦 14
歴史に残るオバマ大統領のスピーチ 14 / CIAの狙いはビン・ラディンの「クーリエ」 16 / CIAの「拷問」が決定的なインテリジェンスをもたらした 18 / アボタバードの豪邸に住む正体不明の男性 20 / 四つの軍事オプション 22 / 特殊部隊シールズの攻撃計画 24 / 「ネプチューンの槍」作戦 30 / 米・パ関係を根底から崩した一大事件 32
第2章バラク・オバマの「選択の戦争」 34
イラクは「間違った戦争」で、アフガンは「正しい戦争」 34 / 楽観論を捨てたマクリスタル司令官の調査チーム 36 / マクリスタル報告書とアフガン増派をめぐる大論争 39 / COIN作戦に懐疑的だったオバマ大統領 42 / 狙いをアルカイダだけに絞った理由 44 / なぜ増派宣言と同時に撤退期限を明らかにしたのか? 45 / 机上では「よくできていた」アフガン戦略 51 / アフガン戦争はオバマの「選択の戦争」になった 55
第3章 出ばなを挫かれたオバマ政権 57
テロリストの勝利の瞬間 57 / 自爆テロリストの正体 60 / 「正確な情報」を送ったヨルダン人スパイ 62 / 「ザワヒリ情報」の誘惑に負けたCIA 65 / 「何もかもが例外だった」バラウィ受け入れ作戦 68 / 「本当の戦争」を思い知らされたオバマ政権 71 / カルザイ大統領の反乱 72 / アイケンベリー大使とマクリスタル司令官の対立 74 / カルザイ・フアミリーに屈したオバマ 76 / 「カンダハルのアル・カポネ」とCIA 79 / 解任されたマクリスタル駐アフガン米司令官 82 / 「裏切られた」マクリスタル 86
第4章 迷走するオバマの戦争 90
「リベンジ」に燃えたCIA 90 / テロ首謀者を殺害し復讐を成し遂げたCIA 92 / パキスタンで展開された目に見えない戦争 94 / ウィキリークスが暴露した特殊部隊の急襲作戦 97 / カルザイ大統領の米国批判と激怒したペトレイアス司令官 101 / アフガン戦略「第一フェーズ成功」は本当か? 104 / カルザイ大統領の警備車両は58台 106 / 軍と文民活動はパラパラ 109 / 「米軍は拠点を築いているだけ」 113 / アフガン治安機関の訓練はうまくいかない 115 / 「問題はパキスタンだ」の論調強まる 117
第5章 CIA対ISIの秘密謀報戦争 120
ハリウッド映画顔負けのストリート・バイオレンス 120 / 謎多きラホール事件とレイモンド・デービス 122 / 暴かれたレイモンド・デービスの正体 124 / CIAとISIの諜報戦 128 / ねじれた関係に駄目押しとなったビン・ラディン殺害作戦 131 / 「ビン・ラディン殺害」というショック療法に期待したオバマ政権 133 / 対テロ戦争で「変質」したパキスタン社会 136 / 崩れる米国との同盟関係 141 / 中国の驚異的な進出 144 / 厳戒の町ペシャワール訪問 148 / パキスタンに最大限の圧力をかけたマレン議長の爆弾発言 154 / 米陰謀論を捲し立てたグル元ISI長官 157 / 埋めがたい米・パ間の認識の乖離 162
第6章 戦略転換と秘密作戦 165
新アフガン戦略の「目標達成」を宣言したオバマ大統領 165 / 「大事なのは米国自身のネーション・ビルディング」 167 / 再び先鋭化した「増派」論議の時の対立軸 169 / 「アフガン・グッド・イナフ」チーム 172 / 政権内の世代交代と力を持つ「オバミアン」 174 / アフガン戦争は「CIAの戦争だ」 178 / 10年間で3千名を殺害したCIA 180 / 拡大する無人機による暗殺作戦 185 / CIAと軍特殊部隊の新たな統合 187 / 米軍は2013年末までに戦闘任務を終了 191 / 特殊部隊中心の「支援任務」に移行 194 / 英メディアが報じたNATO軍の秘密報告書 196 / 現役の米軍中佐による内部告発 200
第7章 偽りのサクセス・ストーリー 204
オバマはなぜアフガンを電撃訪問したのか? 204 / 再選キャンペーンで美化されたビン・ラディン殺害作戦 208 / 現実と乖離する「サクセス・ストーリー」 211 / 「オバマは無人機戦士だ」 217 / イランを狙ったサイバー攻撃は米・イスラエル共同作戦だった 219 / 限界まで強化されたカブールのセキュリティ 222 / 「我が国は再び破壊し尽くされる……」 227 / アフガン部隊に引き渡した基地がタリバンに取られる 232 / 「米国は腐敗した政権をアフガニスタンに押しつけた」235 / 「持たざる者」の逆襲 237 / 「米国がもたらしたのは”弾丸”と”血”だけだ」 241
エピローグ 247
難航必至の「米・アフガニスタン安保条約」 247 / 特殊部隊と諜報機関をさらに増強 249
主な参考文献 252
あとがき 260
「米国がもたらしたのは”弾丸”と”血”だけだ」
結局、オバマの戦争はアフガニスタンに何を与えたのだろうか? 私のカブール取材最後のインタビューの相手は、アフガン議会で軍事委員長をつとめるショクリヤ・バラクザイ女史だった。バラクザイ女史は、タリバン政権時代にタリバンの宗教警察に捕まった経験まであるが、他の多くのインテリとは違ってタリバン時代もカブールに残り、地下抵抗運動を続けたガッツのある女性である。
「これは米国だけに限りませんが、過去10年間の国際社会の支援は主に軍事的な分野に対するものばかりで、焦点が誤っていたと言わざるを得ません。彼らはアフガニスタンの問題を、自分たちの窓からしか見ようとしませんでした」
バラクザイ委員長は、国際社会のアフガン支援がうまく行かなかった理由を、歴史を振り返りながら確認するように話してくれた。
「1991年に、米国はパキスタンに資金を提供し、アフガニスタンの問題をパキスタンを使って解決させようと考えました。そしてそのパキスタンに対する”ギフト”の結果がオサマ・ビン・ラディンであり、世界貿易センタービルの崩壊であり、マドリードやロンドンでのテロでした」
米国が作ってしまった一番の病気は「イスラムの過激主義」だとバラクザイ女史は指摘した。
「これに続いての失敗は2001年のテロ以後です。私たちは、『これはアフガニスタンにとっての新しい1ページになるのではないか』と心から期待したのですが、この新しいページは新しい機会を作ることにはなりませんでした。アフガニスタンという列車の最前列に座っているのは、すべて犯罪者のような人たちばかり、あらゆる軍閥の長たちだったからです」
バラクザイ女史は、2001年に米国人がアフガニスタンに入ってきた当初は、国民は大歓迎したと述べていた。「これはアフガニスタンの歴史上初めて、アフガン人が外国の軍隊を歓迎した時だった」と同女史は回想した。それは米国がアフガニスタンを占領するために来たのではなく、悪いテロリストたちを駆逐してこの国の復興のために力を貸してくれる、と淡い期待をしたからだったという。
「しかしその後、実際に起きたことは……あらゆる資金やエネルギーが軍事的な分野にだけ費やされ、文民側の要望、人道的な要求や支援要請は事実上無視されました。国際社会はすでに賞味期限が切れた古い軍閥たちに新たな力と資源を与え、彼らが息を吹き返すことに貢献したのです。この国の悪党たちばかりを選んで彼らに権力を持たせ、アフガニスタンの静かなる多数派の意見に耳を貸そうとしませんでした。やがてイラク戦争が始まり、アフガニスタンはますます過激派たちの手にゆだねられるようになったのです」
バラク・オバマが米国の大統領となり、彼が再びアフガニスタンに力を注ぐと述べた時バクラザイ女史は大きな希望を持ったという。
「オバマは民主党の大統領です。もっと民主主義や人権や市民社会の発展に焦点を当ててくれると期待していました。彼ならばアフガニスタンの開発に力を入れて、より建設的な外交政策を展開して、あらゆる地域のプレーヤーを集めて、アフガニスタンの発展に貢献するように大きな働き掛けをしてくれるのではないか、と期待したのです。でも、そんなことを期待した私は間違っていました。
これは決してアフガニスタンに対する政策だけではないでしょう。私は決してブッシュがよかった、共和党がよかったと言っているわけではありません。結局、米国の国家安全保障政策のツールとは、他国を倒し、敵を殺すということだという点においては、党派を超えた共通性があるのだと分かりました。21世紀になっても、彼らのこの手法は全く変わらないのだということが……」
そして、バラクザイ軍事委員長の最後の言葉が印象的だった。
「米国のゴールとはいったい何だったのでしょうか? 私たちの周囲にもっとたくさんの敵を作ることなのでしょうか? NATO軍の兵隊を連れてきて、いかに彼らの軍事能力が優れているかを見せることだったのでしょうか? 権限移譲とは軍事基地に掲げる旗を代えることだったのでしょうか?
米軍はアフガン治安部隊へのトランジッションを進めていますが、かつては治安の安定していた州でさえ、今では自爆テロが頻発するようになっています。そこで米軍は、かつて武装解除をさせた勢力にまで再び武器を持たせ、地域の自警団として機能させることにしました。彼らは今では、かつて以上に武器を持ち、力をつけています。
国の治安機関を訓練するのと並行して、今では地域の軍閥や不法な武装集団に武器を与え、組織化させ、彼らにパワーを持たせることを許しているのです。新たな脅威をこの国に植え付けているのです。米軍が撤退した後、この武装集団はいったいどうなるのでしょうか?
私は自分の国を失敗国家だとは言いたくありません。腐敗した政府だとは言いたくはありません。でも現実は現実として認めなくてはなりません。
アフガニスタンの田舎に身を置いてみれば、米国流の”ジャンキーでファンキーな民主主義”は、何も村人たちに与えてくれませんでした。地域の自立? インフラ整備? 教育? 開発? 雇用? 少しでも変化があったのはカブールの一部だけ。田舎には何一つ与えていないのです。米国や国際社会がアフガニスタンの田舎の村にもたらしたのは、結局のところ"弾丸"と"血"だけでした。我々は今、かつての暗黒時代に戻ることを真剣に恐れています」
バラクザイ女史はこのように、静かに、しかし圧倒的な説得力を持ってオバマの戦争の失敗と、その結果、アフガニスタンを再び覆うことになるかもしれない暗黒時代に対する恐怖を表現したのであった。
私がカブールを去ってから1ヵ月後の9月6日、大統領選挙のハイライトの一つである米民主党大会において、バラク・オバマが大統領候補者指名受諾演説を行なった。
「4年前、私はイラク戦争を終えると約束し、それを実現した。9・11テロで我々を実際に攻撃したテロリストに焦点を絞ると約束し、それを実行している。我々はアフガニスタンでタリバンの勢いを鈍らせ、2014年には、我が国にとってもっとも長い戦争を終わらせることになるだろう」
オバマ大統領はこう述べて拍手喝采を浴びた。さらに、「アルカイダは敗北への道にあり、オサマ・ビン・ラディンは死んだのだ」と叫ぶと、会場には「USA、USA」の大合唱が沸き起こり、しばらくの問、演説がさえぎられるほどの盛り上がりを見せた。
もはや耳にタコができるほど何度も聞いてきたオバマ大統領のこのアフガン戦争勝利のロジックとそれに熱狂する米国民。オバマ大統領の「偽りのサクセス・ストーリー」に酔いしれる米国と、バラクザイ女史が語ったアフガニスタンの現実との間には、埋めがたいほどの巨大なギャップが存在した。
詰まるところ、この両国間の埋めがたい大きなギャップが、オバマのアフガン戦争の失敗を必然としていたのだと思わざるを得ないのだった。
「歪められたオバマのアフガン戦略」と「偽りのサクセス・ストーリー」に基づいた撤退オベレーションは今も続き、アフガニスタンは歴史的な転換点に立たされている。