「反日謝罪男と捏造メディア」の正体
日本を貶めようとする反日勢力は海外にも国内にも居ますね。
中国・韓国・北朝鮮など外国が反日なのは理解できますが、日本国籍の人が反日なのはなぜなんだろう考えることがあります。
もっとも、どこの人間であろうが「日本・日本人は悪者だ。成敗せよ。」というような教育を受けて、そうなんだと信じ込めばそうなってしまうのでしょうね。
だとすれば逆に、歴史・文化などをきちんと学ぶことで反日勢力に抗することができる、精神武装ができるのだと思います。
大高未貴さんの『「反日謝罪男と捏造メディア」の正体』を紹介するために、以下に目次や目を留めた項目をコピペさせていただきます。
興味が湧いて、他も読んでみたいと思ったら、本書を手にしていただければと思います。
目次
はじめに ―― コロナウイルスによる中国の“終焉”と日本の自立の時 3
第一部「中国」「韓国」「北朝鮮」にひれ伏す男たちへのレクイエム 15
第一章 敬愛する習近平主席のためなら社員も見殺しにする丹羽宇一郎サン 16
ジョージ・ソロスと丹羽宇一郎サンとの知的格差 / 中国に物言えぬ「こんな社長って何だ?」 / 困った時の日本頼み / 支離滅裂な展開 / 時代遅れの脅し方 / 悲劇には目を瞑る / 人権無視の国 / 経済的癒着と任命責任
第二章 鳩山由紀夫サンは「孔子平和賞」めざして中共一直線 43
盟友・習近平様 / 日本への宣戦布告 / 朝鮮半島で土下座裸踊り / 北朝鮮も鳩山氏を「評価」 / パブロフの犬のように / 最後の花道を
第三章 吉田清治をはじめとする「反日活動家」を征伐する! 64
深刻な人権侵害 / 反日活動家の罪 / 公娼=性奴隷? / 自国の姿を映す合わせ鏡 / ノミの血を吸ってまで / 慰安婦活動家=中北の実情
第二部 捏造のオンパレード 「朝日」「毎日」「NHK」「共同」は美容に悪い 91
第一章 朝日新聞の反日報道 ―― 韓国の教会で日本軍が虐殺? 92
文在寅大統領の「反日」宣言! / 朝日新聞の援護射撃 / 日本人が焚きつけての訴訟ラッシュ / 裁判結果の行方は?朝日新聞お客様窓口のお答えとは…… / スポークスマンがいる / 極めつきは宇都宮日記か? / 削除された一文 / 毒筆朝日の上塗りをする
第二章 毎日新聞は「中共」の手先なのか? 115
世界三十力国で折込み / 毎日新聞への公開質問状 / 中国系決済システムに誘導? / バラ色の中国投資!? / 息をするように嘘をつく / ジャーナリズムを懸けて
第三章 「現代史」を歪めて平気の平左のNHKに受信料を払う理由なし 137
朝日より酷いNHK報道 / 「かなしい」の真意 / 歪曲の新証言 / これは“報道”に非ず、“プロパガンダ”そのものだ / 台湾から抗議文も / 「日英博は一代の光栄」 / 日本は「断固、不感服」 / 公共放送局の資格なし
第四章 慰安婦捏造を繰り返す共同通信 156
目を疑う記事には呆れるしかない / 小学生以下の読解力で配信 / 公文書を読めば日本政府の意図は明白なのに / 破格の給与をもらっていた / 歴史捏造記事との戦いは終わらない
第三部 アジアのホロコーストの主犯者は中ソではないか 171
第一章 映画「主戦場」に見る反日プロパガンダ映画の嘘 172
道義的な罪 / 欺瞞だらけの手法 / 政治利用のあくどさ / 映画がもたらしたもの
第二章 性奴隷にされた日本人女性たち 187
封印された日本婦女子の悲劇 / 暴力で身を傷つけられた婦女子 / 皇軍兵士が見たソ連軍の蛮行 / ケダモノ以下の囚人ロシア兵 / 平壌で三百体の死体処理 / 日本人よ、沈黙するな
第三章 習近平は、もはや21世紀のヒトラーか 210
ウイグル人権法も成立へ 世界は中共のウイグル弾圧を許さない / NHK「シルクロード」放送の嘘 / なぜ経済制裁をしないのか? / ウイグルの母 ラビア・カーディルさんの靖國参拝 / ウイグル弾圧と沖縄と / 貿易だけではない 熾烈な米中サイバー戦争
おわりに ―― 私が目撃した淋しい謝罪男たち 244
はじめに ―― コロナウイルスによる中国の“終焉”と日本の自立の時
中国の武漢を発生地とする新型コロナウイルスによる肺炎の感染が世界を大きく揺るがしている。日本にも感染者が出て、中国共産党は(旧)正月休みを返上しておおわらわとなった。
日頃は南京「虐殺」などは、針小棒大に犠牲者を大幅に水増しするくせに、天安門事件の被害者も今回の病死者も「棒大針小」しているようだ。
日本は、さっそく、日本国内でも不足がちにもかかわらず中国にマスクなどを届けたが、中国は連日尖閣海域への侵入を続けている。中国の共産党指導者たちには“感謝の心”はないのだろう。
ともあれ、2008年に訳出されたジャック・アタリの『21世紀の歴史 未来の人類から見た世界』(作品社)で、彼はこう綴っていた。
「2025年には、いずれにせよ中国共産党の76年間にわたる権力に終止符が打たれるであろう(70年以上にわたって権力を握りつづける政権は、世界中どこにも存在しない)」。そして、場合によっては、その際、「国家統一の存続を図るためには、中国共産党は台湾やシベリアを侵略するなど、外交で得点を稼ぐことで、国民の不満を紛らそうと試みるであろう」とも指摘していた。
台湾の総統選挙での蔡英文氏の圧勝、ホンコンでの民主化要求の動きに加えて、今回の新型コロナウイルスによる肺炎感染の拡大は、中共政権を一歩一歩弱体化させていくことになろう。米中経済戦争もしかり。
だが、習近平政権が、今後何を仕掛けてくるかをわれわれ日本人は注視していく必要があろう。中国は今後ますます、超限戦を展開するであろう。これは、あらゆる制約や境界(作戦空間、軍事と非軍事、正規と非正規、国際法、倫理など)を超越し、あらゆる手段を駆使する「制約のない戦争(Unrestricted
Warfare)」だといわれている。正規軍同士の戦いのみならず、非軍事組織を使った非正規戦、外交戦、国家テロ戦、金融戦、サイバー戦、三戦(広報戦、心理戦、法律戦)。
よもや今回のウイルス騒動も中国内部の権力闘争も絡んだ超限戦の一環なのではないか? と勘繰りたくもなる。
ともあれ、この緊迫した情勢の中、朝日新聞は夕刊コラム素粒子で、新型コロナウイルスを念頭に「中国人を排除するより、ともに手を洗おう」(1月24日)などと目を覆いたくなるようなコラムを書いている。国際社会からみたら日本のクオリティペーパーが幼稚園以下のレベルだということが一目瞭然だ。いやいや、幼稚園だって“インフルエンザ発症後数日休ませて登園許可を医者からもらってください”としている。ともあれ日本の大マスコミがこんな調子ではそのうち“新型コロナ肺炎の発生も日本が悪い”なんていう、新型謝罪男が再び出現するかもしれない。
冗談はさておき、私は今回の新型コロナウイルスを楽観視していない。この本が書店に並ぶ頃には、日本でもかなりの感染者が出ているだろう。日本政府の対応の遅れの要因のひとつに、北京政府への行きすぎた対応が挙げられる。本書で糺弾する謝罪男たちは、そういった空気の醸成役を長年に渡って担ってきた。本気で日中友好を願うなら今こそ得意の北京政府とのパイプをいかし、武漢に乗り込んで、現状を世界に発信すべきだ。自分たちが育てたモンスター政府の実態を直視せよといいたい。それにつけても、この世紀末のような状況の中から日本人は何を教訓にすべきか?。
それは“真の自立”への覚醒ではなかろうか? 自衛隊ですら憲法に国軍と明記できず、安全保障をアメリカに依存して属国となり、経済活動に邁進してきた結果、拉致問題一ついまだに解決できていない。今回の新型コロナウイルス感染問題にしたって、他国の毅然とした対応と違い、日本政府は春節にともなう中国人観光旅行者入国制限を発動しなかった。安倍首相が自国民を守るため、瞬時に苦渋の決断をしなかったことに対して、私は子供を持つ母親として“日本は自国民を守らない。これからは自分で自分の身を守らねば”と固く心に誓ったのだ。身を守るということは、安全保障に限らず情報から守ることも含まれる。朝日新聞は次世代洗脳のため、大人の盲点を利用して秘密兵器を用意している。それは朝日小学生新聞、朝日中高生新聞だ。
嘆いていても何も始まらないし、日本を再び自国民を守る国に生まれ変わらせ、子供たちが不必要な贖罪意識を背負わず、諸外国の友人だちと対等な友好関係を築いてゆけるような教育環境の再建をせねば、命をかけて祖国を守ってきた先人たちに顔向けができないと腹を括る最終段階に直面していると思う。そして過去の歴史を振り返れば、国難の時こそ日本人の底力が発揮され、日本人の意識の変容が促進されるように思えてならない。
本書は、近年、私がさまざまな雑誌などで書いた評論を整理し、加筆してまとめたものだ。日本を愛する一国民として、やむにやまれぬ思いでペンを取った次第だ。読者の叱声をいただければ幸いである。
2020年(令和2年)2月 大高未貴
経済的癒着と任命責任
それにしてもなぜ、丹羽氏はこうまで無節操で、中国のヨイショ一辺倒なのか。
その謎を解く鍵は抜き差しならぬ中国と伊藤忠との癒着関係にあった。ご存じのように、丹羽氏は伊藤忠の社長・会長を務めてきた。
伊藤忠は2015年「日本の企業が中国の企業に投資する案件の規模としては、2002年9月に行われた日産自動車による国有自動車大手、東風汽車への十億米ドル(約千百八十億円)の出資を上回り過去最大」の出資をしている(『伊藤忠 躍進の秘密』洋泉社MOOKより)。出資先のCITICの大株主は中国政府だ。
ある意味、伊藤忠は中国政府と一蓮托生の関係である。地獄の詐欺大国に投資し、経済破綻で利益が回収できなくなったら、日本を巻き添えにしようという魂胆なのだろうか。そのためには領土問題も棚上げし、日本の安全保障もないがしろにする。
そんな身内の事情には一行も触れず、やれ世界平和のための日中友好青年交流だのと、きれいごとばかりを並べ立て、中国の代弁をしているのだから姑息すぎやしないか。
一体、誰がこんな人物を駐中国大使に任命したのか、外務省の任命責任を問わねばならない。この経緯について、元外務省職員はこう言う。
「丹羽宇一郎氏を中国大使に任命したのは民主党政権時代の岡田克也外務大臣です。外務省の薮中三十二事務次官以下省幹部やOBの猛反対にもかかわらず、岡田大臣が知り合いの丹羽氏を強引に大使に押し込んだと言うのが真相に近いでしょう。ちなみに、当時から伊藤忠は社を挙げて中国市場にのめり込んでおり、日本政府を代表する大使に日中ビジネスの特定の利害関係者を任命したことだけでも、岡田氏は外務大臣の資格を欠いた人物であることは明白です。こうなると、丹羽大使や大使館員には、中国とビジネスをしている他社の人間が近づかなくなったのは当然です。
その後、丹羽大使の数々の不適切な言動などに関して岡田氏が任命責任を感じていたとは聞いたことがありません。このような失敗人事は政権交代の代償だと嘯いていたとの話を聞いたことがあります」
最後に、『毛沢東語録』の編集発行人で、毛の提灯持ちだった林彪について老婆心ながら触れさせていただく。中国の指導者たちにとって、たとえ自分たちの提灯持ちだったとしても、もはや利用価値がないと判断された人物の末路は悲惨だ。いとも簡単にその存在が消されてしまう。林彪も、『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者アイリス・チャン氏も、親中派として知られ朝日新聞論説主幹だった若宮啓文氏も不可解な死を遂げている。
『習近平語録』を執筆した、「習近平の提灯持ち」の丹羽氏が中国から斬り捨てられないことを願うばかりだ。
北朝鮮も鳩山氏を「評価」
「鳩山由紀夫元首相が2019年3月末、韓国ソウルでの講演で『特に日本は朝鮮半島の南北分断に大きな責任を有している』と発言したことが、北朝鮮から評価されている。朝鮮労働党機関紙『労働新聞』(17日付)は論評で、鳩山氏の『分断責任発言』のほか、いわゆる徴用工や慰安婦の問題などについても日本が謝罪すべきだと表明したことを『朝鮮民族に大きな不幸と苦痛を浴びせつつも、その責任を回避しようと躍起になっている日本当局に与える忠告だ』と指摘した」(『産経新聞』2019年4月19日付)
南北分断の最大の原因については諸説ありますが、馬渕睦夫氏は米ソ八百長冷戦に原因があったと指摘されています。
「1950年1月12日、アチソン国務長官は、ナショナル・プレスクラブで『中国大陸から台湾への侵攻があっても、台湾防衛のためにアメリカが介入することはない。アメリカのアジア地域の防衛線には南朝鮮を含めない』と演説した。要するに、“韓国はアメリカの防衛線の外にある”というメッセージを発信し、北の南下を誘発したといっても過言ではない」(『国難の正体』)と。
定住外国人参政権付与発言など、やけに朝鮮半島に肩入れする貴方の姿勢の謎について、ネットでは出生の秘密を含め様々な憶測が飛び交っておりますが、私は1995年の貴方の訪朝が、朝鮮半島のプロパガンダを担う伝書鳩としてのお役目を遂行せざるを得ない原因の一つだと思うのですがいかがでしょうか。
95年3月28日から30日まで、貴方は自民党・渡辺美智雄氏、社会党・久保亘氏と一緒に訪朝し「日朝会談再開のための合意書」を発表しておられます。これは90年に自民党の金丸信氏、日本社会党の田辺誠氏と金日成が三党共同宣言を出した延長線上にあるものでしたね。
『月刊社会党』に貴方の訪朝記が載っていましたので、懐かしい思い出でしょうから一緒に振り返ってみましょう。
平壌行きの飛行機には外務省の実務者や記者団以外に、最高人民会議統一政策委員会委員長、朝鮮アジア太平洋平和委員会委員長兼朝鮮労働党中央委員会の金容淳(キムヨンスン)書記を筆頭とする在日朝鮮人の重鎮5人も同乗していましたね。
平壌到着後、あなたたちが真っ先に向かったのは万寿台(マンスデ)の丘にある金日成の銅像で「参加者は主席の銅像に花籠と花束を献じ、敬虔な心情で挨拶をした」ようですね。その後、万寿台議事堂で金容淳書記を表敬訪問し、貴方は渡辺氏の挨拶のあと「会談を成功裏に進めて立派な結実をもたらせたい」と述べています。金容淳書記は「金日成主席が開拓した主体の革命偉業は必ず立派に完成されるであろうと強調した」とありますが、その演説に熱心に耳を傾ける貴方の様子が目に浮かびます。夕方には万寿台芸術劇場で民族舞踏組曲を鑑賞され、芸術と美を愛する貴方は感涙にむせぶ体験をされたのではないでしょうか。
北朝鮮の外国の要人を幻惑するこの手のおもてなしには定評があります。あのサッチャーに次ぐ鉄の女として知られたアメリカのオルブライト国務長官ですら北朝鮮のマスゲームを見せられ、コロッと人心掌握されてしまった前例があります。お育ちの良い貴方の心を骨の髄まで掌握することなど朝飯前のことであったでしょう。
そして待望の夜の宴会が始まりました。渡辺団長は金正日を前に「過去において日本は朝鮮人民に多大な苦痛と損害を与えた。与党三党の代表としてこれに対し反省し、謝罪する」と金王朝にひれ伏しました。その横にいて、貴方は真摯な姿勢で頷いていたことでしょう。この宴席に“喜び組”が同席したのかは定かではありませんが、訪朝団歓迎の宴は明け方まで盛り上がり、おそらく貴方の横にも目眩がするような美女がずっと寄り添っていたりしませんでしたか?
ともあれ前原誠司さんのように北朝鮮美女との親密そうな写真が週刊誌に出なくて良かったですね。もっともこれだけ朝鮮半島に土下座していれば、写真などたとえあったとしても流出するはずがありませんよね。
翌日は訪朝団から金正日に贈物を献上したそうですね。まるで朝貢外交のよう。朝貢といえば土産は三倍返しと言いますから、訪朝団はどんなお土産をいただいたのか教えていただけないかしら。まさかキムチだけということはありませんでしょう。そういえば、金丸信氏の自宅の金庫から刻印のない金の延棒が出てきたこともありましたっけ。
第三章 吉田清治をはじめとする「反日活動家」を征伐する!<冒頭部>
北朝鮮への「帰国運動」が始まって40年目にあたる、2019年12月14日のNHKの夜7時からのニュースに脱北者の斉藤博子さんが出ていた。彼女は、『北朝鮮に嫁いで40年 ある脱北日本人妻の手記』(草思社)という本を書いている女性だ。在日の朝鮮人と結婚した日本人妻として、一緒に北朝鮮に渡ったものの悲惨な体験を経て脱北した人だ。
同じニュース番組では、小島晴則氏も出ていた。元日本共産党党員の彼は、新潟で帰国運動に邁進していた人だ。彼が編纂した『幻の祖国に旅立った人々 北朝鮮帰国事業の記録』(高木書房)は、彼らが当時、刊行していた「新潟協力会ニュウス」なる、帰国運動支援のためのプロパガンダ新聞(昭和35年からの発行。月2~3回程度の刊行。4頁程度)を復刻復刊したものだ。これは償いの意味を込めて、当時の狂気にも似た北朝鮮「地上の楽園」を煽った文書を我々の前に提示したものだ。一読すれば、マスコミの煽動の恐ろしさを改めて感じる。
にもかかわらず、未だに悔い改めることなく、こういう北朝鮮に虐げられた人権問題を無視して、戦前の日本の「軍国主義」による被害者(慰安婦?)問題ばかりを取り上げる人々がいる。自称「人権活動家」「反戦運動家」たちだ。しかし、「地上の楽園」という「嘘八百」を信じて、地獄の北朝鮮に渡った十万人弱の人権をなんと思っているのだろう。まだ生きている人もいる。その人たちのためにこそ、汗を流すべき「人権活動家」は日本にはあまりいないようだ。
私は2016年9月号の「新潮45」に「『慰安婦像をクレーン車で撤去したい』慰安婦問題を作った男の肖像」という記事を書いた。父親「吉田清治」が発信し続けた慰安婦強制連行なる虚偽によって日韓両国民が不必要な対立をすることも、それが史実として世界に喧伝され続けることも、これ以上、私は耐えられませんということで、その息子さんへの取材を通じて、私は慰安婦強制連行の嘘を暴いた。
嘘の出発点ともなった吉田氏の著作『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』を担当した当時の三一書房の編集者にも取材をした。吉田氏は故人だが、その長男の語りを通じて、かなりの人物像を復元することにも成功したと自負している。その後雑誌『正論』などで社会党の土井たか子氏の秘書が、韓国の慰安婦追及団体と怪しげな「金脈」的関係があった事実なども具体的に指摘した。
誤解のないように指摘するが、慰安婦はいなかったなんて言っている人はいないだろう。あくまでも、日本国が十代の韓国の少女を強制的に連行して慰安婦にしたなんてことはない、「従軍看護婦」のような制度として確立した手法で、「従軍慰安婦」を創ったなんてことはない ―― と言っているだけなのだ。
産経だって、慰安婦と挺身隊とを混同していたのだ、朝日だけが間違えたわけではないとうそぶく朝日だが、社説にまでとりあげて、『女子挺身隊の名で強制連行』という虚偽を書いたのは全国紙では朝日だけだった。
ともあれ、未だに閉鎖的な状態のために、北朝鮮の人権問題がお茶の間で語られることは日本では少ない。本稿が、そういう情報鎖国・独裁体制を少しでも是正するこ
とに役立てば幸いだ。
文在寅大統領の「反日」宣言!
日本の統治下にあった朝鮮半島で起きた1919年の「3・1独立運動」から百年目にあたる三・一独立運動記念式典(2019年3月1日)における文在寅大統領の演説は、慰安婦問題、徴用工訴訟、レーダー照射、竹島……など、散々歴史の改竄を重ねて日本を悪玉にした挙句、南北統一の暁に日本から金を引き出すための方便でしかない白々しいものだった。
「親日の残滓を清算することは、あまりにも長く先送りされてきた課題だ」との主張もしていた。政敵である韓国内の保守派に「親日の残滓」のレッテルを貼り、封じ込めようとしているのだろう。
ともあれ、日本のメディアも、韓国の反日的な言動に振り回されている面が否めない。その筆頭が朝日新聞だと言えるが、また新たな反日報道疑惑が発覚した。
おりしもベトナムで米朝首脳会談が開催された2019年2月27日のこと。
「日本のキリスト教徒17人が韓国・堤岩里(チエアムリ)訪問『過去の侵奪を謝罪』」と題し、
「韓国・ソウル近郊、京畿道華城市の堤岩里の教会で1919年4月15日、日本の官憲の蛮行により20人余りが虐殺される事件が起きてから100年になるのに合わせ、日本の日韓親善宣教協力会所属のキリスト教徒17人からなる『謝罪団』が27日に堤岩里の三・一運動殉国記念館を訪れた。(略)続いて、訪問団を率いる尾出令仁牧師が代表祈祷を行った。尾山氏は『主よ、植民統治時代に日本の官憲たちにより最も乱暴な事件が起きたのがここ、堤岩里教会でした。日本は当時、(独立運動の)三・一運動に参加したという理由で住民たちを拷問し、虐殺し、教会を焼き払いました』と述べた」(『華城聯合ニュース』2019年2月27日付)
と報じた。
日本のネット配信でも流され、現地で土下座する日本人牧師たちの写真は、それなりのインパクトがあった。事件の真偽は後述するとして、このタイミングでの謝罪行脚は、文政権が国をあげて準備していた“三・一独立運動記念式典”を後押しするためだったと推測される。
ところが、米朝首脳会談はトランプ大統領が席を立って中断。
予想外の展開となり、肩すかしを食らった文大統領は、振り上げた拳を下ろすに下ろせず、苦々しい表情で「未来志向で親日の清算を」「日本とは協力強化」などと、三・一独立運動記念式典で演説してみせた。
とは言え「京畿道・華城の堤岩里でも教会に住民を閉じ込めて火を放ち、幼い子どもも含めて29人を虐殺するという蛮行が起きました」(『聯合ニュース』)などとも述べている。
暴動鎮圧という、しかるべき理由があって発生した事件であるにもかかわらず、いつの間にか日本兵の蛮行といったように、例のごとく脚色された堤岩里教会事件。殊更、朝鮮総督府の残虐性をアピールしたい韓国政府にとって利用価値のあるものだった。
堤岩里事件については、すでに朴殷植(パクウンシク)が上海で伝聞によって執筆し、1920年12月に漢文で発行された『韓国独立運動の血史』(平凡社)には、次のように記述されている。
「4月15日午後、日本軍の一中尉の指揮する一隊が、水原郡南方の堤厳里に出現。村民に対して諭示訓戒すると称して、キリスト教徒と天道教徒30余名を教会に集合させた。そして、窓やドアをきつくしめ、兵隊がいっせい射撃を開始した。堂内にいたある婦人が、その抱いていた幼児を窓の外にだし、『わたしはいま死んでもよいが、この子の命は助けてください』と言った。日木兵は、子供の頭を刺して殺した」
では、実際にはどうだったのか。杉本幹夫氏の著書『「植民地朝鮮」の研究』(展転社)には、公文書からの引用として、次の一文を紹介している。
「被疑者側の一人が逃亡を図って抵抗し、他の一人が逃亡帯助の公務執行妨害を犯したことから、本事件が偶発的に発生した事実が分かる」
世界三十ヵ国で折込み
第一部第一章でも少し触れたが、2018年末、英国の『ガーディアン』紙が興味深い記事を掲載した。
「Inside China's audacious global Propaganda campaign(中国の生意気な世界的プロパガンダ戦略とは)」と題し、その中身は「中国政府は、驚異的な視野と野望を待った世界的プロパガンダ戦略の一環として、メディア局を買収し、多数の外国人ジャーナリストを鍛え、『中国のいい話』を伝える」(2018年12月7日号)という記事がそれだ。
この記事の中で特に注目されたのが、中国が資金を出した折込み紙(『チャイナ・ウオッチ』)の発行数の図表に、『毎日新聞』が六百六十万部と記載されていることだ。いち早くこの記事に注目した経済評論家・上念司氏は「毎日新聞はこの疑惑に対する説明責任がある。もし何も反論しないなら、チャイナの宣伝機関であることを認めたのと同じだ」と述べている。
『チャイナ・ウオッチ』とは、毎日新聞が2016年8月より毎月第四木曜日に折込みで配布している4~8ページの新聞のことである。紙面はオールカラーで中国の観光名所や若者のライフスタイルなど人目をひく内容であると同時に、日中友好をモチーフに、中国との経済協力や投資を煽ったり、習近平や一帯一路を礼賛する記事が多く、中には毎日新聞が発行しているものと誤解する購読者もいると思う。
よく目をこらしてみれば、紙面の片隅に「チャイナ・ウオッチはチャイナデイリー社が発行する別刷りであり、毎日新聞社が配布協力を行っています」といった但し書きが記載されているが、そこまで注意深く観察する読者はそうはいない。
実際に『チャイナ・ウオッチ』を折り込ませている世界の新聞は、所謂タブロイド紙とは違って国の権威を代表するような有力紙ばかりだ。現在6種類の言語(英語、仏語、独語、スペイン語、ロシア語、日本語)で、毎日新聞、ワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナル(アメリカ)、デイリー・テレグラフ(イギリス)、フィガロ(フランス)、ハンデルスプラット(ドイツ)、ロシスカヤ・ガゼタ(ロシア)、エル・クロニスタ、UNOグループ(アルゼンチン)、シドニーモーニングヘラルド、オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー、ザ・エイジ(オーストラリア)、ザ・ネーション(タイ)、ジャカルタ・ポスト(インドネシア)と広範囲にわたっている。
「ある報告書によると、チャイナ・ウオッチを月に一度折り込むことで、デイリー・テレグラフは年間75万ポンドの支払いを受けている」(ガーディアン紙)そうで、列記した新聞社も含む世界三十ヵ国以上で折込みさせる費用は相当なものだから、中国がいかに情報戦に本腰を入れているのかうかがい知ることができる。
「この折込みは道徳的で古典的なプロパガンダ戦略を取っていて、最近の見出しには、『チベットが40年の光り輝く成功を目の当たりにしている』や『習近平が開放政策を発表』『習近平が中国共産党の党員たちを称賛』といったものがある」(ガーディアン紙)
中国は1950年以降、120万人以上のチベット人を虐殺し、約6000以上の寺院を破壊している。
また、2018年、ペンス米副大統領も「中国はまた、仏教も厳しく取り締まっています。過去十年間で、150人以上のチベットの僧侶が、中国による信仰と文化への弾圧に抗議するために焼身自殺を遂げている」と指摘していた。
それにもかかわらず「チベットが40年の光り輝く成功を目の当たりにしている」などといった、よくもこんなしらじらしい記事を臆面もなく書けたものだ。
朝日より酷いNHK報道
「NHKは、私が日本の占領時代に対して、好意的に発言した部分は全てカットし、戦後の日本の仕打ちに対して述べた不満の部分のみ放映した」と怒る台北在住の柯徳三氏は「NHKの背後には中国共産党がいる」とまで言い切った。
いまから十年以上も前になる、柯徳三さんが憤慨したNHKスペシャル『シリーズJAPANデビュー』の第1回『アジアの“一等国”』(2009年4月5日放送)については、すでにさまざまな批判がされている。
名誉が棄損されたとして、台湾の番組出演者がNHKを訴えた訴訟で、高裁判決(2013年11月28日)は、名誉毀損を一部認定した。しかし、最高裁は2016年1月21日、高裁判断を覆し名誉毀損はないとの判断を示した。また、本番組を巡っては、放送法上の義務違反ほかを理由とした集団訴訟等も提起されていたが、門前払いのような形で請求棄却となっている。
そうした放送後の裁判闘争に関しては、ここでは詳しく触れないが、「現代史」に関する歪曲報道に関して、NHKには「定評」があるというしかない。
実際、NHKの現代史の番組にしばしば助言を求められた体験のある有馬哲夫氏(早稲田大学教授)も、『NHK解体新書 ―― 朝日より酷いメディアとの「我が闘争」』(ワック)という本で、その点を鋭く指摘していた。戦前戦中は軍部、戦後はGHQに盲従し、現代史関係の番組を作るにあたって、左翼的な「作為」「ごまかし」をしばしばやっているとして具体的に検証している。
私も、この『アジアの“一等国”』に関して、現地にも取材した体験があり、ここで改めてその偏向番組を俎上にのせて検証しておきたい。
目を疑う記事には呆れるしかない
2019年末、目を疑いたくなる記事が配信された。共同通信が“河野談話を補強する資料が発見された”とし、さらにロイター通信によって、資料の本筋とは著しく異なり、一方的に日本を貶める形で世界中に配信され、国内外でも話題を呼んだ。何しろ中東のメディア、アルジャジーラまで報じているのだ。
河野談話の最大の問題点は、談話発表後に河野洋平氏が記者会見で、記者に「慰安婦の強制連行の事実があったという認識なのか」と問われ、「そういう事実があったと。結構です」と答えていることだ。それまで慰安婦の強制連行に関し日本政府は一貫して否定してきたし、現在に至るまで河野氏の回答を裏付ける資料は日韓両政府が血眼になって探したけれど見つかっていない。
その後、河野談話発表に関して産経新聞が、韓国政府とのすり合わせや、ずさんな慰安婦証言調査に基づいていたことを報じた。さらに石原信雄元副官房長官などの国会での陳述により、談話の根拠が揺らぎ、政府も2014年に有識者を集めて「河野談話の作成過程の検証報告書」をまとめた。そこには「一連の調査を通じて得られた認識は、いわゆる『強制連行』は確認できないというものであった」と結論付けられている。つまり事実上、河野談話は消滅しているのだ。にもかかわらず、この期に及んで闇雲に河野談話を後押しする共同通信の記事には呆れるしかない。
まずは共同が発した記事を紹介しよう。
〈慰安婦「兵70人に1人」と記述 外務省文書、軍関与を補強
旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡り、関連する公文書の収集を続ける内閣官房が2017、18年度、新たに計23件を集めたことが6日、分かった。うち、在中国の日本領事館の報告書には「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」「軍用車に便乗南下したる特殊婦女」などの記述があった。「酌婦・特殊婦女」は別の報告書内で「娼妓と同様」「醜業を強いられ」と説明され、慰安婦を指している。専門家は「軍と外務省が国家ぐるみで慰安婦を送り込んでいたことがはっきり分かる」と指摘する。1993年の河野洋平官房長官談話が認定した「軍の関与」を補強する資料と位置付けられそうだ〉(2019年12月6日付)
私はこの記事を読み、妙な胸騒ぎを覚えた。
過去にもこんな例がある。朝日新聞は宮澤喜一首相が韓国を訪問する5日前、一面トップの記事扱いで「慰安所 軍関与示す資料」と報じ(1992年1月11日付)、首相訪韓の際、盧泰愚大統領に謝罪し、それに続いて加藤紘一官房長官が軍の関与を認める談話を発表。原典は中央大学の吉見義明教授が発見した資料だが、よく読み込めば、悪質な業者が不統制に募集し「強制連行」しないよう軍が関与していたことを示しているものだった。
ところが、朝日新聞は苦肉の策で“軍による広義の関与”であると問題を巧みにすり替え、日本軍の関与という印象操作をした。今回の共同ももしやそのパターンではないか ―― そんな疑念を抱きながら、共同が報じた第一次資料にあたることにした(以下、資料の掲載にあたってば歴史的仮名遣い・旧漢字を現代表記に改め、読みやすさを考慮している)。
第一章 映画「主戦場」に見る反日プロパガンダ映画の嘘<冒頭部>
2019年4月に公開された映画『主戦場』―― 。
朝日新聞の元記者である植村隆氏が激しく非難されているのを知り、慰安婦問題に興味を持ったという監督のミキ・デザキ氏。
映画は「慰安婦たちは『性奴隷』だったのか」「『強制連行』はあったのか」「なぜ慰安婦たちの証言はブレるのか」といった問題の核心について、対立している主張を反証させ合いながら、真の問題解決の糸口を探すという構成になっている ―― との触れ込
みだった。
櫻井よしこ氏やケント・ギルバート氏など保守系の植村隆批判派の識者が出演しており、当初この映画は保守とリベラルの「両論併記」を謳っていた。
ところが、実際は「慰安婦強制連行・性奴隷説」を否定する保守派を叩くだけのための“反日プロパガンダ映画”であることが判明した。
当作品の監督であるミキ・デザキ氏は、保守派の論客たちを姑息な手法で騙し、インタビューをしていたのだ。
この問題について、私は山岡鉄秀氏と雑誌「ウイル」(2019年8月号)で「善意の保守論客を騙した映画「主戦場」」という対談をした。それを踏まえつつ、簡潔にこの反日プロパガンダ映画を批評しておきたい。
私は、映画の配給会社である株式会社東風を通じて、監督のミキ・デザキ氏にメールで取材を申し込んだ。
「フリーのジャーナリストとして、映画『主戦場』の監督であるミキ・デザキ氏に取材をさせていただき、その内容を雑誌などに掲載したいと考えている」と希望の日時を提示して送ったところ、デザキ氏は多忙なので、メールでの質問にのみ答えるとの返事が来た。その二日後、山岡さんから質問内容に関してアドバイスをいただいたので、連名で質問事項を提示し、再度メールを送ったところ、断られてしまった。
せめても、と思い「取材の拒否は渡辺さん(メールの相手)の判断なのか、それともデザキ氏の判断なのか」と聞いたものの、それ以降、東風から返信がくることはなかった。
さすがに「これはおかしい」と思い、電話で「なぜ、お返事いただけないのか」「取材を受けていただけないのは、どちらの判断なのか」と聞いたものの、「それは一切言えません」の一点張り。
「では、雑誌などに掲載する際に、『取材拒否の理由に関して、東風はノーコメントだった』と載せてもよろしいですか」と聞くと、〈ガチャッ!〉と電話を叩き切られてしまった。それも二回も。
そこで、デザキ氏に直接話を聞きたかったので、6月3日に行われた彼の記者会見に参加した。幸い、会見場に入ることはできた。中国では、産経新聞の記者だけ取材を拒否されるなんてことはあるけれども、日本はまだそこまで「中国化」はしていない。日本にいてよかった?
しかし、記者会見の質疑応答で、デザキ氏に投げかけられた質問は、どれも彼を擁護するようなものばかりで、なんとか映画をバックアップしようとしていたのがミエミエだった。
たとえば、以前、『ニューズウィーク』で取材をしたという記者は「この会見に対しても、30日に会見をされた方々(保守派として映画にも出演している藤岡信勝氏、山本優美子氏、藤木俊一氏)が反論してくる可能性があるとして……」と質問していたし、IWJ(INDEPENDENT WEB JOURNAL)の記者は「私も映画を観て、保守論客が伸び伸びと差別発言や中国、韓国に対する悪口を述べていたことに驚きました」などと発言していた。
ちなみに、私は、5月30日に行われた『主戦場』の上映差し止めを訴えた藤岡信勝さんたちの記者会見にも参加していた。このときは、報道陣側の最前列を朝日新聞、毎日新聞、共同通信、しんぶん赤旗など左派メディアの記者たちが陣取っており、なんとか揚げ足をとってやろうといわんばかりだった。この記者会見場での雰囲気の違いは、日本のメディアの現状を表していたといっても過言ではないだろう。
要は、どちらの会見も『主戦場』を擁護したい左派メディアの記者たちが多数派だったのだ。むしろ、右派系のほうが、オープンスタイルだったともいえよう。
ウイグル弾圧と沖縄と
2018年10月4日、アメリカのペンス副大統領はワシントンの政策研究機関で「尖閣は日本の施政権下」と中国を牽制した。奇しくも翁長雄志知事の急逝に伴う冲縄県知事選で辺野古移設反対を掲げた玉城デニー氏が、自民党推薦の前宜野湾市長・佐喜真淳氏を破り、初当選した4日後の発言だった。中国はさっそく「捏造で荒唐無稽」と反発してみせたが、捏造してきたのは一体どの国か?。
“尖閣のみならず沖縄まで中国領だ”といって憚らない中国政府にとって、在沖米軍の存在ほど煙たいものはない。今回の沖縄県知事選結果を陰ながら誰よりも喜んでいたのは、アメリカとの貿易戦争で窮地に立たされている中国政府であったであろう。その証拠に中国「環球時報」(10月1日付)は、デニー知事の誕生を、「沖縄人民が日米に重大な勝利を収めた」と大絶賛。調子にのって尖閣諸島近海のEEZ(排他的経済水域)内に特殊ブイを設置した。
中国はアジア太平洋で覇権を握るため、日米同盟分断、沖縄と日本本土の分断をはかり、様々な工作をしかけてきた。その最たるものが琉球独立運動だろう。
ここでは松島泰勝(龍谷大学教授)らが中心となって2013年に立ち上げた琉球民族独立総合研究学会の記者会見の様子を振りかえってみたい。
―― 日本への復帰を沖縄県民が望んだ歴史をどう思うか? また今まで日本政府が振興開発費として何十兆円ものお金を沖縄に投入してきたがその事をどう思うか?。
「72年の復帰については騙されたと思っている。(略)振興開発費についても、それがあったからといって沖縄の経済格差や自主経済問題が解決されたわけではない。飴と鞭の論理で、振興開発が基地の押し付けに利用された(オスプレイ強行配備など)日本や米国による強制が現在進行形で続いている」
―― 中国の人民日報や環球時報などが琉球独立論を歓迎しているが、関連性はあるのか?
「全くない。むしろ迷惑だ」
最後の質問は地元の琉球新報によるものだが、尖閣問題などで起きている中国に対する県民の反発を意識したアリバイ作りではないか。というのも直前の2013年5月8日に、沖縄県民の89%が中国に対して「良くない」「どちらかといえば良くない」印象を持っているとの調査結果が、沖縄県から発表されたばかりだったからだ。一方で、人民日報や環球時報が独立学会の発足にあわせたように「琉球独立」を支持する論評を掲載している。「阿吽の呼吸」だとしか思えず、「迷惑だ」と言い切ることに不自然さを感じる。
チベットしかり、南モンゴルしかり、ウイグルしかり中国は最初、両手いっぱいに手土産を抱え、“友好”というスローガンを掲げながら微笑で彼の地に踏み込んでいった経緯を、今こそ日本人は歴史から学ぶべきではないだろうか?
だからこそ、来日した世界ウイグル会議総裁ラビア・カーディル氏は、東京都による尖閣諸島購入の募金「東京都尖閣諸島寄附金」の呼びかけに対して十万円を寄付したのだ。私はこの時、ラビアさんが寄付を発表した会場に居合わせ、「日本よ目覚めよ! ウイグルになることなかれ」というメッセージを受け取ったのだ。
そういった意味では集まった尖閣寄付金14四億円も宙に浮いたまま、ご都合主義の中国の困った時の日本頼みに騙されないため、ペンス米副大統領の発言は、日本政府へのメッセージでもあったはずだ。