小千谷市 岩沢

新潟県小千谷市の南端に位置する岩沢の紹介です。

岩沢を通っていた街道

現在国道117号が岩沢を通り、小千谷市と長野県長野市を結んでいますが、昔の道はどうなっていたのでしょうか?。
岩沢地域の人にそのことを伺うと「善光寺街道」という言葉が出てきます。

ウィキペディアには「善光寺街道(ぜんこうじかいどう)とは、京阪や江戸から善光寺参拝に向かう道。 北国街道 : 直江津から追分までの北国街道。 北国西街道 : 中山道洗馬から北国街道丹波島までの脇往還。 」と解説されています。

一方で、全国的に有名な善光寺ですから、それ以外にも各地から善光寺に向かう道を善光寺街道と呼んだのではないでしょうか。
新潟県でも、 小千谷や長岡さらにはもっと遠くから多くの人々が善光寺参りに出かけたでしょう。そしてその旅人たちはこの地域を通り十日町を経由していたと思います。
近世における小千谷から長野方面に向かう街道について、小千谷市史で解説しています。
小千谷市史によると、この地域の善光寺街道は「岩沢を通る妻有道」と「真人を通る市川通り」の2経路に分かれたいたようです。

当地区岩沢の善光寺街道がどこを通っていたかははっきりしません・・・。


諸街道の分布  小千谷市史 上巻 P676

   諸街道の分布 小千谷市史上巻P676

  もと本町通りから寺町通りに曲がる町角に建っていたと言われる道標が、現在二荒社の境内に残されている。これに小千谷の近世街道交通の大筋が示されている。

  つまり、「右 善光寺街道十日町・千手」とは、本町から山本山西麓鞍部を通って、池ヶ原・雪峠を越え、真人・千手と通ずる「信州往来」のことで、一名「市川通り」と呼ばれた。これに対して、山本山東麓の上片貝を廻って芋坂から岩沢・十日町に通ずる妻有路が、十日町盆地から飯山盆地に抜ける小千谷からの奥地物資陸継輸送路であった。

 「向 柏碕・塚之山・片貝・弥彦」とは、小千谷から山谷を通り、薬師峠を越えて塚之山宿に出て、北条宿を経由して柏崎で北国街道に合し、高田に達する「高田道」のことで、小千谷が四半宿に指定されたのはこの主要街道による。

 そして平沢新田から高田道と分かれて、片貝・来迎寺・関原・与板と西山山麓沿いに北上するのが「弥彦参道」であった。
 このほか、上ノ山から小国峠を越えて小国盆地に出る「小国道」や、神明町から千谷川、三仏生を経て、妙見宿に渡る「長岡道」は、三条・新潟に通ずる地方往還としてよく利用された。

 「左 江戸街道 長岡・三条・新潟」とある江戸街道は、中子の渡しで稗生村を通る三国通りに連絡したが、古くは上片貝の渡しで川口宿に出て江戸登りをする方法が多く用いられ、小千谷宿から三国街道川口宿への伝馬駄賃も、この経路で公認されていた。

 これらの街道系統をまとめると第一図のようになる。

第一図 小千谷を中心とした街道分布(小千谷市史 上巻 P676)

現在は、三国街道に沿って一般国道17号、妻有道に沿って一般国道117号、北国街道と信州通りに沿って一般国道8号、市川通りに沿って主要地方道小千谷ー千手ー十日町線、高田街道に沿って一般地方道千谷沢ー小千谷線、小国道に沿って主要地方道小千谷ー柿崎線、銀山街道に沿って主要地方道小出停車場ー奥只見線がそれぞれ通っているようです。

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