“きいむ(きいもん)”さんの石仏
山谷地区にある“きいむ(きいもん)”さんという屋号のお宅(苗字は谷内<たにうち>さんです)の石仏です。
ご当主に「我が家に、湯殿山を祀った石碑がある」と教えていただいた場所(“きいむ”さんのお屋敷内ではありません)を訪問しました。
出羽三山神社のサイト(
http://www.dewasanzan.jp/publics/index/16/
)には次のように、湯殿山は大日如来に対比されると解説しています。
三山が神仏習合であった時代、三山を抖擻(とそう)する修行を「三関三渡」といった。羽黒山は観音菩薩(現在)、月山は阿弥陀如来(過去)、葉山や薬師岳は薬師如来(未来)とされ、それらの加護と導きにより現在・過去・未来の三関を乗り越え、湯殿山の大日如来(三関を超越した世界)の宝窟に安住し、即身成仏(生きたまま悟りを開く)の妙果を得るというものである。裸足になってご神体に登拝するのは、大日如来と一体になって感得することである。また湯殿山は神の世界ゆえ、古来より人工は許されず社殿を設けないのである。
(令和3年4月24日)
地図の左下側、青い線で囲んだ付近に“きいむ(きいもん)”さんの石仏があります。
北西側から飯山線の踏切とその先の道路を写しました。
踏切を超えて6~7mほどの所で左を見ると次の画像です。
この農道のような道を6~7m進んで右を向くと次の画像です。
杉の木に囲まれて石仏が見えます。
近づきました。
“きいむ(きいもん)”さんの石仏です。
周辺は冬の間に落ちた杉の葉に覆われていますが、石仏の周囲は掃除されています。
この石仏は何(仏、菩薩、天・・・)を表しているのでしょうか・・・。
頭には飾りのようなものを着けているようです。
仏(如来)は装飾品を着けないので菩薩でしょうか・・・。
冒頭、ご当主から湯殿山を祀ったものだと教えてもらったこと、出羽三山神社のサイトで湯殿山は大日如来に対比される旨が解説されていたことを紹介しました。
仏は装飾品を着けないけれど、大日如来は別で、菩薩像のように冠やブレスレットなどの装飾品を身に着けます。
また大日如来は智拳印を結んだ姿で表されたものが多いところであり、この石仏も(指の形は不明なものの)胸の前に両手を置いています。
しかも、智拳印の場合と同じように右前腕の方が上部になる形です。
そんなわけで、この石仏は大日如来であると想像します。
お顔の部分を写しました。
別角度(画像左側が正面)です。
背面です。
別角度(画像右側が正面)です。