平成12年5月25日に重要文化財に指定された、愛西市にある「船頭平閘門(せんどうひらこうもん)」は、水位が違う木曽川と長良川を結ぶための閘門です。
閘門は、水位の異なる河川や運河の間で船を移動させるための装置です。固定された閘室(前後を水門で仕切った空間)の水位を変えることで、水位の異なる河川などの間で船を航行させることが出来ます。
この場所に閘門がなければ、船は川を下って河口まで行き、もう一方の川を遡らなければなりません。
木曽三川は、明治の河川工事(明治20年〜45年)によって三川を分流しました。
当時は貨物や旅客の輸送のための舟運が盛んで、水面の高低差がある木曽川と長良川を往来できるように閘門が造られました。
この閘門は複閘式で門扉が二重となっていて、わが国で初めてのものです。
平成6年に活用保全の方針で老朽化対策工事が行なわれ、現在も有効に機能しています。その土木技術は歴史的に貴重なものです。<案内板から>
(2009年3月21日訪問)
閘門周囲の案内図です。 この案内図で上から見て、右回りに閘門を見て行きます。 |
90年間使われた船頭平閘門の古いゲートで、明治35年(1902)から平成5年(1993)まで使われました。 <案内板から> |
別角度です。 |
船頭平閘門の平面・断面図です。 桑名は、伊勢地方(現在の三重県)の玄関口で、遠く木曽川の山奥から、木材などが筏や船で運ばれていました。。長良川と揖斐川は、桑名の近くで一緒に流れていましたが、木曽川と長良川は完全に分かれていました。木曽川を下ってきた船は、海まで行って戻るために時間がかかり、また塩水で水が悪くなるため、途中で木曽川から長良川へ渡る必要があり、船頭平に舟を通すところを考えました。木曽川と長良川は水位が違うため、それぞれに門を造り、水の高さを調整する船室(閘門といいます)を備えた船頭平閘門を造りました。<案内板から> |
閘門の木曽川側のゲートを木曽川方向から見ています。画像右側が木曽川方向です。 |
別角度です。 |
上の画像の車が写っている辺りから、木曽川に通じる水路を写しました。向こう側が木曽川方向です。 |
木曽川方向のゲート付近から、閘室(こうしつ)です。写っているゲートは長良川方向のゲートで、画像の向こう側が長良川方向です。 長良川側のゲートの上には道路が通じています。 |
木曽川方向のゲートです。4枚の扉で構成されています。 画像右側が木曽川方向です。 |
木曽川側から写した水門です。 |
ほう、閘門通行規程ですって。 |
長良川方向から見た閘室です。写っているゲートは木曽川方向のゲートです。 |
長良川側のゲートの上から写した、長良川に通じる水路です。水路の向こう側が長良川です。 写っている鐘は、航行してきた舟が「来たよー、門を開けておくれー!。」って、合図をするためのものです。 |
同じ場所で振り返って、閘室と木曽川側のゲートです。 |
長良川方向から見た閘室です。写っているゲートは木曽川方向のゲートです。 |
長良川側の水路から写した長良川側のゲートです。 |
長良川側の水路の水位です。 |
長良川側のゲートとその上の道路です。ゲートの手前の水面は閘室です。 |
木曽川側のゲート付近から、閘室です。 写っているゲートは長良川方向のゲートで、画像の向こう側が長良川方向です。 |
木曽川方向から見た閘室です。 手前のゲートは木曽川側のもの、画像奥のゲートは長良川側のものです。 |
閘門から木曽川に通じる水路と、木曽川側の水門です |
木曽川へ通じる水路の水位です。現在は木曽川のほうが低いんですね。 |