【 三居沢発電所 】

仙台市青葉区にある三居沢発電所(さんきょざわはつでんしょ)です。

明治21年(1888)7月1日、三居沢にあった宮城紡績会社が紡績機用の水車を利用して東北地方で初めて電気のあかりを点しました。日本最初の水力発電の発祥でした。
以来、三居沢発電所は、仙台市電気部、東北配電鰍ネどを経て、昭和26年東北電力鰍ノ継承され現在もなお最大出力1000キロワットで運転を続けています。
また、明治35年(1902)、三居沢で日本最初のカーバイトが製造されました。これは、当時、三居沢にあった宮城紡績電灯会社の技師長、藤山常一が、電気炉を使用して製造したもので、日本における電気化学工業の発祥となりました。
(構内にあった案内板から)

三居沢発電所の設備
取水河川:名取川水系広瀬川  使用水量:最大5.57m3/S、常時2.27m3/S
発電出力:最大1000KW、常時290KW  導水路:開渠383m、隧道1682m  放水路:開渠225m、暗渠22m
発電機:横軸回転界磁型三相交流同期発電機 台数:1台  容量出力:1310KVA  回転数:429rpm 有効落差:最大出力時26.67m、常時出力時27.01m
水車:横軸二輪単流前口フランシス水車  台数:1台  最大出力:1343KW  回転数:429rpm
(パンフレットから)

2008年6月13日訪問

放水路下流側から、発電所方向。
発電所建屋(左の建物)と三居沢電気百年館(右の建物)。
東北地方最初の発電所
本建屋は明治41年(1908)に建てられた木造平屋建て、下見板貼のほぼ正方形プランの建屋です。
寄棟屋根の中央部を一段高く上げた切妻屋根と平の面の前面明り取り窓が特徴です。棟札から棟梁伊藤今朝五郎、脇棟梁伊藤利三郎が判明しています。文化財保護法の規定により、平成11年8月23日付をもって文化財登録原簿に登録されました。
(案内板から)
建屋と水圧管。
建屋に向かって左隣には、三居沢大聖不動堂というのがあります。
三居沢大聖不動堂。
発電所建屋の前から放水路が出ている。
発電所建屋と三居沢電気百年館の間にガラス張りの窓があり、そこから建屋内を見学できます。
水車発電機断面図も見えます。そして・・・、
発電機や、
水車が入っている水圧管の終端部も見れます!。
建屋の後ろにも行くことが出来、近くで水圧管を見ることが出来ます。
ちなみに、左の管は発電のための水圧管ではなく、余水管(水が上部水槽からあふれた時にこれを通って流下する)です。
水圧管が建屋に入る部分。
向こうに写っている、逆J字の管は余水管から出ている空気抜きのための管。
三居沢電気百年館は、東北に電気のあかりが誕生して百周年を記念して建設されました。
三居沢発電所の歴史、東北の電気事業の歴史、電気の現在から未来などを学ぶことが出来ます。
三居沢電気百年館の2階ベランダからの眺め。
レンガの構造物は、明治33年当時の「ずい道」(たぶん水路トンネル)出口だそうです。
ベランダから見た、水圧管が建屋に入る部分。
建屋の屋根(寄棟屋根の中央部を一段高く上げた切妻屋根構造)。

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