布引観音の由来
昔、信濃の国小諸に無信心で強欲でけちん坊な老婆が暮らしていました。
ある日のこと、老婆が千曲川で布を晒していたところ、どこからともなく一頭の牛が現れ、その布を角にかけて走り出しました。
驚いた老婆はその牛を追いかけて行ったのですが、気がつけば善光寺の境内まで来ていたのでした。
やっとの思いで牛に追いついたものの、牛は突然姿を消してしまいました。
驚きと悲しみに加えて疲れ果てた老婆は呆気にとられ、その場にたたずんでしまいました。
そこに姿を消した牛の代わりに観音様が現れ、老婆の不信心を諭したのです。
その後、老婆は自分の強欲さを悔い情け深い人間に生まれ変わったそうです。
ある日老婆が布引山を仰ぎ見ると岩角にあの時の布が吹き付けられていました。
老婆はなんとかして取り戻したいと思いましたが断崖絶壁のこと、なすすべもありません。
しかし日が経つに連れ布への執着心がわいてきます。
どうにかして取り戻したいと岩角を見つめ一心不乱に念じているうちに布と共に石と化してしまったそうです。
(布引観音の登り口にあった案内板から)
絶壁に見える白い帯。
吹き付けられた老婆の布か・・・?。
布引山釈尊寺への登り口にある碑。
こんなところを20〜30分登って行きます。しんどいです^^;)。
岩の隙間に地蔵さん。
オーバーハングの岩