【 臼杵 古園石仏 】

臼杵市深田にある4群60余体の磨崖仏は「臼杵石仏(うすきせきぶつ)」の名で知られています。
4群はホキ石仏第一群、ホキ石仏第二群、山王山石仏、古園石仏ですが、ここでは古園石仏のご案内です。

臼杵磨崖仏は軟かい石質の阿蘇溶結凝灰岩に高肉彫りされています。軟らかい石質であるため彫刻に適している反面壊れやすく、地下水や表面温度等の変化によって風化が進行していきます。
とくに古園石仏はもともと仏像の下半部分に岩が無かったこともあり、地下水が常にしみ出し湿潤な状態となっていました。このためコケ類が繁殖し風化を進行させる要因の一つとなっていました。
そこで、臼杵市は国・県の補助を受け、文化庁の指導のもとに平成3年度(1991)から5年度まで保存修理を行ないました。亀裂を生じた岩盤には、彫刻面を避けて27本のアンカーボルトを打ち込んで崩落を防ぐと共に風化した龕(がん)部全体に樹脂(ワッカーOH)を含浸させ石質硬化を図りました。
このほかコケ類除去。地下水排水工事、石積工事、割落した仏像片の復位などを行ないました。
さらに、この修理工事と併行して、平成4年度から二ヵ年で保存修理の効果をより高めるため、防災施設としての収蔵庫(覆屋)設置工事も行ないました。<臼杵市教育委員会の案内板から>

2008年8月23日訪問
 
古園石仏に向かう途中、振り返ってホキニ群(画像右)とホキ一群(画像左上)の鞘堂を写しました。
9:30頃、古園石仏の鞘堂(さやどう)が見えてきました。

鞘堂:建物を風雨などから保護するため、外側から覆うように建てた建築物。中尊寺金色堂のものが有名。覆堂(おおいどう)。
案内板によれば、古園石仏は右から多聞天立像、伝降三世明王坐像、観音菩薩坐像、伝普賢菩薩坐像、伝不空成就如来坐像、伝無量寿如来坐像、大日如来坐像、伝阿しゅく如来(あしゅくにょらい)坐像、伝宝生如来坐像、伝文殊菩薩坐像、勢至菩薩坐像、不動明王坐像、伝増長天立像が並んでいます。
ただし、この画像には一部が写っていませんので、以下にご案内していきます。
この画像は、右から多聞天立像(他の4体とは少し離れて彫られている)、伝降三世明王坐像、観音菩薩坐像、伝普賢菩薩坐像、伝不空成就如来坐像です。
この画像は、右から伝普賢菩薩坐像(半分柱に隠れている)、伝不空成就如来坐像、伝無量寿如来坐像、大日如来坐像、伝阿しゅく如来(あしゅくにょらい)坐像、伝宝生如来坐像、伝文殊菩薩坐像(半分柱に隠れている)です。
臼杵石仏 大日如来
右から伝無量寿如来坐像、大日如来坐像、伝阿しゅく如来(あしゅくにょらい)坐像です。
古園石仏 大日如来
大日如来坐像は切れ長の目に引き締まった口元が極めて端正で気品あふれる表情を作り、各方面から限りない絶賛を受けています。
以前は、落ちた仏頭が仏体下の台座の上に安置され、長く人々に愛され続け、世界的にも有名であったが、保存のための修復に合わせて仏頭も昔日の見事な姿に復位されました。平安後期の作。<臼杵石仏事務所のパンフレットから>
別角度で大日如来坐像。
ズームで大日如来坐像。
この画像に写っているのは右から伝宝生如来坐像、伝文殊菩薩坐像、勢至菩薩坐像、不動明王坐像、伝増長天立像です。
左側から写しました。
石仏群を背にして写した画像です。
上でご案内した石仏群に目を奪われていましたが、それらの石仏群の右側にも磨崖仏が彫られていました。
位置関係は一番上から2番目の画像でご確認ください。


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