【 桧皮葺(ひわだぶき)作業 】

三井寺を訪問した際、園城寺(おんじょうじ)食堂(じきどう)保存修理事業の現場見学会に参加させてもらいました。
当日は屋根の桧皮葺(ひわだぶき)の様子を見学しました。

(2009年11月21日訪問)
 
10:53頃、修理中の食堂(じきどう)前です。
作業現場です。
この画像の左方向が2つ下の画像です。
上の画像の部分を下から写しました。
入母屋造の屋根ですね。
この画像の左側の屋根部分は、2つ下の画像です。
軒付(のきづけ)と呼ばれる、屋根の先端部分です。
4つ上の画像はこの画像右上側の屋根隅です。
画像左側部分は屋根の先端部の施工ですが、先端部で最初に葺く檜皮は厚いもの(上目皮)を使います。
その上に、画像右側部分のように平檜皮を重ねていきます。
平檜皮を重ねた部分です。
屋根部分の檜皮の厚さは、軒付部分のように厚くないですね・・・。
一方、軒付(のきづけ)は、屋根の重厚さを醸し出しています。
今まで神社などの桧皮葺を目にしてきましたが、屋根全体がこの軒付の厚さなのかと思っていました。
しかし、檜皮が厚く積まれていたのは、軒付の部分だけだったんですね!。
ズームで、軒付部分です。
軒付を積むのは軒付皮と呼ばれるものです。
軒付皮を厚さ2.4cm、幅15cm程度に重ねたものを一つの単位(一手)として、十分水に浸し、土台となる裏板の上に積み、竹釘で打ち締めます。軒付皮を積む時には、一手ずつが一体になるように横部分を充分に摺り合せながら、差し込むようにして所定の高さまで積み重ねます。
積み終わると外側に面して見える部分を釿(ちょうな)で所定の角度になるように切り揃えます。
<見学会の資料から>
軒付(のきづけ)の上に水切銅板張りを施し、さらに上目皮を張った状態です。
向拝(こうはい)の唐破風(からはふ)部です。
このような曲線を上手に作るものですね。
葺く前は、こんなですが・・・。
桧皮葺作業です。
平葺皮は一般的なもので長さ75cm幅は先端で15cm程度の細長い台形をしています。
先ず皮を水に濡らし1枚1枚敷き並べます。1段毎に1.2cmずらしながら重ねて葺き上がり、4段重ねる毎に竹釘を2cm程度の間隔で打ち付けます。<見学会の資料から>
1枚75cmの長さの皮を1.2cmずつづらしながら葺くので62.5枚重なることになり、厚さにすると約9cmの葺厚になります。<見学会の資料から>
軒先の部分から始まり、軒付皮を所定の厚さに積み上げます。
<現地にあった案内板の写真>
軒付の耐久性を高めるために水切銅板を張ります。
<現地にあった案内板の写真>
軒付を所定の厚さに積み上げたら、外側に面して見える部分を釿(ちょうな)で所定の角度になるように切り揃えます。
<現地にあった案内板の写真>
平葺作業です。<現地にあった案内板の写真>
谷葺きです。<現地にあった案内板の写真>
隅葺です。<現地にあった案内板の写真>

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