【 組織の方向性 】


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 目新しい話題ではないが、ある目的を持った組織・集団が「どっちをむいているか(「上向き・前向き」なのか「下向き・後ろ向き」なのか)」は重要なことだ。

 この際「目的を持った組織・集団なのだからその目的の方向を向いているんじゃないの?」という意見は言葉遊びに過ぎない。
 というのは、その目的に対して「後ろ向きに取り組んでいる」というような状況にある組織・集団が少なからず存在している・・・、これが現実とも言える。

 組織・集団を統率しようとする立場にある者はもちろんのこと、個々の構成員もそのことを認識しなければならない。
 そして、自分達の組織・集団がどっちをむいているのかを把握し、もし間違った方向を向いていたら軌道修正の努力 をしなければならない。自分が所属する組織・集団のために、そしてそれは取りも直さず自分自身のために。

 言うまでもなく、組織・集団がどの方向を向いているのかは、その統率者と構成員がどの方向を向いているのかに影響される。

 ここで、上司と部下、経営者と従業員、指導者と構成員というように「上に立つ者と下の者」の関係について、 それぞれがどちらを向いているのかを考えてみる。
 「どちらを向いているか」とは「自分の立場より上の立場の考え方ができる(これは上向き)」か、「自分の立場より下の考え方をしてしまう(これは下向き)か」である。

 「自分の立場より上でもなく下でもない考え方はどうするのか?。」という疑問は、次を読めば解決すると思うが、それは下向きと同じであろう。

 ここで、上のものと下のものがそれぞれ上向きなのか下向きなのかについて組み合わせを考えてみると、 次の4パターンを導くことができる。
 合わせてそれぞれの組み合わせが組織・集団に与える影響を簡単に列記してみる。

 @ 上は下向き、下は下向き > どちらにもストレスは無いが組織としては最低。「仲良しグループ」ならこれでも良いんだけど・・・。
 A 上は上向き、下は下向き > 上に立つ者にストレスがたまるが、改善はしやすだろう。でも上が優秀でないと@に行ってしまう。・・・というより、上に立つものが上向きであるような組織は上に立つものの努力でCに向かうであろう。ただし、どうにもならない場合も・・・。
 B 上は下向き、下は上向き > 下の者にストレスがたまり、絶望感が生まれかねない。下に優秀なやつがいないと簡単に@に行ってしまうだろう。
 C 上は上向き、下は上向き > 言うまでも無く、組織としての方向性はこれが一番。組織全体が「上向き・前向き」である。

 さあ、あなたが所属する組織・集団(会社など)はどれですか?。


<補足>

 上向きの発想、つまり「自分の立場より上の立場の考え方ができる」ようになるには、言うまでもなく普段の心がけが重要になる。
 例えば「普段から平社員は係長の、係長は課長の、課長は部長の、部長は取締役の立場になったつもりで、『自分ならこの問題をどう分析して、どう判断するか』と考える姿勢を持つことが大切だといわれる。

 ところが、それに対して「理屈はわかるけど、まあそれは無理だな。」と言う人がいる。残念だが、そういった人はすでに下向きであるし、物事の本質を見ることが出来ない人なのかもしれない。

 実際のところ係長が課長の立場で考えても、現実的には課長と同じだけの情報量が無いのだから、結果的に課長と同等以上の判断は出来ないかも知れない。
 しかし、上述のように言われる所以は「そうすることで自分がその立場になったときに役立つ」ことと「そすることで組織自体が上向き・前向きになる」ところにあるのであって、「その場面で実際に上司と同じ判断ができるかどうか」ではない。

 言うまでもなく、これまで述べてきたのは前者ではなく、後者であった。
 何度も言うように「個々の構成員が上向き・前向きな思考ができることが、その組織自体を上向き・前向きにする」ということなのだ。



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