<<<一般論>>>
廃棄物の処理には「勘違い」と「感情」が付きまとうような気がする。
さらに言えば、そのことはいわゆる「迷惑施設」全般にあてはまるように思う。
<勘違い>
「廃棄物処理場それ自体」の建設に反対する場面がある。またずさんな廃棄物処理業者を取り上げた報道を目にすることがある。
その1
我々は生きていく上で誰もがある行動をしている。つまり誰もが「資源を使う」し「生産する」し「消費する」し「廃棄する」。
したがって、だれもが廃棄物を出している。
・・・ということはどこかでそれを処理しなければならない。
言うまでも無く、廃棄物の排出量を抑えて「循環型社会」を構築していく努力、さらに有害な廃棄物が出ないような工夫も必要であるが、
廃棄物を出さないというわけにはいかない。
その2
悪いのは「ずさんな処理(あるいはそういった処理をしている業者)」であって
「処理すること(あるいは処理業者)自体」ではない。
その1に書いたように、我々はだれもが廃棄物を作り出すのだから、それらの適正な処理(あるいはそういった処理をしてくれる業者)
は我々にとって不可欠なのだ。
話はそれるが、廃棄物の処理に限らず「ずさんな操業」はいろんな業種で起こりうるし、実際起こっている。
そして、言うまでも無く、それらは世間の目・第三者の監視が届かないところで起こりやすいのだ。
<感情>
廃棄物処理場に限らず、いわゆる「迷惑施設」が身近に建設されるのは厭なことだ。理屈ではそういった施設が必要なのはわかっていても・・・。
上記「その1」を踏まえても、廃棄物処理施設が自らの関係地域に建設されることに同意したくないのは、
「他の地域の廃棄物を私達の地域で処理する」というケースだろう。
わかりやすく言えば・・・、隣の人があなたの庭にやってきてゴミを置いていったら厭だよね。
<<<現実と提案>>>
先日、地域で取り組んでいる「産業廃棄物処理場建設反対」の「監視活動」に参加し、その施設があるところに行ってみた。
施設から300メートルくらい離れたところに2世帯が住んでいるらしい。
さらに、「その施設がある沢」の下手(1〜2Km)には集落がある。
2世帯のうちのお一人の方は「臭いは気にならないし、安全だと聞いている」という話しぶり(この方は施設に土地を売却した方らしい)であった。
一方、下手の集落の人は時々(風向きによって)臭いが気になるそうである。
前述の一般論を踏まえた上で、こういった状況を目の前にするとき、「<その1>廃棄物処理場の建設にはダム建設における水没地域の立ち退き補償のような制度を作るべきだ」と考える。
さらに、「<その2>安全操業を担保するための措置を加えるべきだ」と思う。
そこで、例えば次のような法制化をするのはどうだろう。
<その1>
「施設から2Km(ただし下流流域においては5Km)圏内(以下「管理区域という」)
に人が居住する人家がある場合は建設できない。」こととし、
その区域内に建設しようとする時はその住民の移転措置を講ずるとともに移転補償を行うものとする。
<その2>
その施設を設置する事業主体の経営者等(株式会社・有限会社においては役員、合名会社・合資会社においては無限責任社員、地方公共団体においてはその首長ならびに担当部長相当職、・・・・)
とそのニ親等内の卑属は、管理区域で生産される農産物を摂取しなければならない。
この義務は経営者等がその地位にある期間のみならずその職を退いた後も適応され、その卑属に対しては経営者等が死亡した後も適応される。
どうだろうか?。