秋も深まってくると、野原や川原、ちょっとした空き地や道路脇・・・いたる所に黄色い花を見かける。 良く言えば鮮やかな黄色、別の言い方をすればどぎつい黄色である。私の感覚は後者であり、好きな植物ではない。特に群生している状況は不快感さえ覚える。 その植物はセイタカアワダチソウ。私も帰化植物であることは知っていたがそれ以上のことは知らなかったのでネットで調べてみた。まとめると次のようになる。 「北米原産の1.5〜2mにもなる多年草で、明治期に庭園用として導入された物が逃げ出して、全国的に暴れ回ることとなった。急速に広がったのは大二次世界大戦後、蜜源植物として優秀であるので養蜂業者が積極的に種子を散布したという話もある。 タネでも繁殖するが、地下茎での繁殖力はすさまじく、縦横無尽に広がり、空き地などではあっという間に広がる。根や地下茎からアレロパシー物質(ポリアセチレン化合物など)を分泌する。アレロパシー物質は他種だけでなくセイタカアワダチソウの種子発芽も抑制してしまう。このためにセイタカアワダチソウの繁茂する場所では新たな植物の侵入は困難になり、地下茎で繁殖するセイタカアワダチソウの天下となる。このような能力はセイタカアワダチソウに限ったものではなく、非常に多くの植物が他の植物への成長阻害物質を生産していることがわかっている。ヨモギやヒメジョオン属の植物も同様な能力を持っていることが知られており、ススキなどのイネ科植物の発芽を抑制するといわれる。」 セイタカアワダチソウは、まるで帰化植物の代表選手のようであるが、帰化植物は結構多い。昔からその地域に生息していたと思っていたような物が実は外来種だったりする。そして年々増えている。しかも、今後の増え方は加速化するんだろうと思う。 ホームセンターや園芸店では毎年のように目新しい草花を目にするし、海外旅行も盛んなわけで、環境が合えば日本でも繁殖する植物は数え切れないだろう。そうしたものを見境なく自然の中に放てば見なれた景色は短期間に一変するかもしれない。 同様なことは帰化動物にも言える。ザリガニや食用蛙が帰化動物だというのは、一般に知られたところであるが、他にも沢山の帰化動物がいるし今も持ち込まれている。ご存知のように、最近ではブラックバスやブルーギルを巡る議論がある。ブラックバスやブルーギルは、自らの趣味を求める釣り人によって持ちこまれ、それによって在来の小魚が捕食されるという。その結果、生態系が変わってしまうてしまうというのである。 「ウサギ追いしかの山、こぶな釣りしかの川・・・」は今でも過去のものになりつつあるのに、このままでは「ブラックバス釣りしかの池・・・」になってしまうかもしれない。 TV番組などで目にすることがあるが、植物にしろ動物にしろ、どうも、外来種は繁殖力が強いようである。その外来種の追われて在来種は行き場が無くなり、その結果、自然環境・生態が変わってしまう。 私も帰化植物・動物は持ちこむべきではないと思っている。過去には食糧不足対策のために政策的に持ちこまれたケースもあるようだが、そうした例外的な場合を除いて持ちこむべきではないと思う。 私自身は、自然環境の保護を声高に叫べるほど立派な生活を送っているわけではないが、帰化植物・動物の持ちこみはしていないだろう。植物や動物・昆虫の飼育はやっていないしバス釣りもやっていないから、多分無いと思う。 |