中国から借りたトキからひなが生まれた。「待ちに待った誕生」といった雰囲気が新潟県と 佐渡のみならず日本中を覆っているように思う。素敵な名前も決まったらしい。しかし、そんな様子を冷静に眺めてみると、 「少し変なのではないか?。」と思えてくる。 詳しいことは知らないが、日本の朱鷺は過去には珍しい鳥ではなく、 むしろ田圃を荒らす害鳥であって、農薬散布や環境破壊によって絶滅に追いやられたのではなかった のだろうか?。そういったことへの反省と改心がなければ、日本の空を朱鷺が舞うことを望んではいけなか ったのではないか!。 だからこそトキを保護するために国を越えて取り組んでいるのだという主張もある。しかし これも突き詰めれば、種を絶滅させるのと同じくらいに人間勝手だとも言える。単純に、 日中の友好のシンボルだとか観光資源だとかというのなら、それはそれで正に(残念ながら)人間らしい。 それぞれの考えがあるだろうが、単純に喜ぶだけではなく少し考えてみよう。 己が行ったことを悔い、今後の糧とするために、「かつて我々は朱鷺という鳥を絶滅させた」 という記憶を刻むべきなのに、中国のトキにひなが誕生したことで、何もなかったかのような 錯覚をしてはいけない。その意味でも「日本でトキを誕生させるべきではなかった」というの も一つの主張だ。 「人工ふ化も『人間の身勝手』ということでは同じ根から生えている」ということについて(補足) 腐敗と発酵は同じ現象なんだけど、人間にとって有用でないのが「腐敗」で、役立つのは「発酵」なんだってね。
なんだか似ていると思わない?。 |