地域には毎年恒例で行われる事業がある。 以前は「道普請(みちぶしん)」と呼んでいた山道の草刈り作業等もその一つで、今年(2002年)は6月16日に草刈りが行われた。 昔は山菜採りや山林・畑作の作業で山には入ることが頻繁だったわけで、そのための山道の補修・草刈を、今日に至るまで共同作業で行ってきたのである。 子供の頃も中学生くらいになると、父親から親の代わりにそうした地域の作業に出るように言われ、しぶしぶ出かけたものであった。 今も農林作業や山菜採りで山に入る人はいるのだから、こうした作業は必要なわけだが、昔に比べると山道を利用する人は少なくなっていると思う。私は、その道を利用するのはこの作業の時くらいかもしれない。 一方で、地域外の人達が山菜採りのために乗り付けてくる車を目にすることが多い。今年の作業は山菜採りのシーズンをだいぶ過ぎていたので1台だけであったが、汗だくで作業する我々のわきを走り去っていく姿を見ると「お前等も手伝っていけ!。ゴミは捨てるなよ!」と叫びたくなる。 作業をしながら、また休憩時間には、近くに住んでいながらあまり話す機会が無い人達と会話をするわけだが、こんな話しがあった。「ある地域の人が山の畑にアスパラを作っているのだが、山菜狩りの人達が取って行ってしまう。山菜採りの人達の中には、山菜が取れなければ、せっかく来たのだからと何でも持って行ってしまうようなマナーの悪い者もいる」というのである。 以前、ある友人にも「椎茸を栽培している所で、この地域の人ではない人がその椎茸を取っているので『それは栽培しているものですよ』と声をかけたが、無視して取りつづけていた」という話しを聞いたことがあった。 山間の道路を走っていると「地域外の人の山菜採り禁止」「山菜取りのための入山禁止」といった立て札を見かける。「そんなことまでしなくてもいいのに」とも思うのだが、上記のような話を聞くまでもなく、そうせざるを得ない事情も創造できるというものである。 山菜採り等は入会権に基づいてその地域の住民に認められたものであり、場合によっては収入源になっていることもある。さらに山菜も栽培されていることもあるわけだが、そうしたものにまで手をつけられてはたまらないということなのだろう。 「『栽培しているものは取らない、ゴミは持ち帰る』は最低限のマナー」ではない。「栽培しているものを取るのは犯罪、ゴミを捨てるのも犯罪」なのである。 昨年も同じようなことを考えながら参加した共同作業は、午前8時から2時間半ほどで終了した。 帰宅してから風呂に入り、ビールを飲んで・・・・、そのうちに眠ってしまった。 来年も同じような作業があるのかな・・・。 |