2001年6月のある日、近くの施設である話し合いの場があった。 それは、この地域で施工される工事について役所の人が説明をしてくれるという説明会であり、地域の人達・地方公務員・施工行業者が集まっていた。総勢は30名くらいであったろうか。 地域の集まりに限らず、会議や集会というのは一つの部屋に沢山の人が入ることが多く、空気も汚れがちになる。したがって、「たとえ禁煙になっていなくても、そのような状況での喫煙は遠慮されるべきである」と・・・、私は考える。 これは、いうまでもなくレストラン・列車内・市役所などの公共施設・銀行などにも言える。そうした施設での禁煙・分煙は少しずつしか進んでいないわけだが、そこが禁煙でなくても多数の人が集まる場所では遠慮するべきであろう。最近のタバコのCMで「人前では煙草を吸わないCM・他人を思いやる喫煙者を描き出したCM」を目にするが現実は全く異なっている。 現状では、地域の会議や集まりでの「禁煙・分煙」は無縁であり、煙草を吸うのはあたりまえといった雰囲気である。いつも灰皿が並べられているし、事前に用意されていなくてもいつのまにか誰かが用意する。そういった集まりに参加して帰宅すると、全身が煙草臭くてたまらない。着ていたものは洗濯機に突込み、急いで風呂に入って頭を洗う。しかし、残念ながら肺の掃除までは出来ない。 さて、説明会当日の様子を披露したい。 当日は会議室に入ると灰皿が出ていなかった。机の上には資料と缶飲料が置いてあるだけだったので、それを見た私は「今日は煙に悩まされずに済むなぁ」とひそかに喜んでいた。 説明会が進むなかでリラックスムードも漂い、缶飲料を飲む人も出てきた。そうこうしているうちに、なんと煙草の煙が漂ってきたではないか。むっとして顔を上げてみると、説明を終わった施工業者のYさんが空き缶を灰皿にして煙草を吸っている。「おいおい、説明をしに来ている立場で恥ずかしくねえのかよ」と思いながら、状況に気付いて途中で消すか1本で終わるだろうと我慢していた。 ところが、展開は最悪の方向だった。なんと隣に座っていた地方公務員のSさんがYさんに続いたのである。Yさんは発注者の担当であるSさんに気を使っているのか、空き缶を勧めている。そういった状況に「皆で渡る」確信を得たのか、その隣の地方公務員が煙草を吸い、さらに次々と煙草の煙が立ち昇ってしまった・・・。 このような喫煙マナーの悪い人、つまり状況を認識できない人、他人を思いやれない・我慢できない人、他人がやっているから俺もという人が、「喫煙者=(喫煙)マナーの悪い人」という等式を世間に定着させ、喫煙者の立場を悪いものにしているんだろうな。さらに、そういった行為はいうまでもなくそれをやっている人本人に対する評価を下げてしまっている。 「ここにゴミを捨てないで下さい。」という看板が立っていて、その周りにゴミが入った袋がいくつも置いてあるといった光景を目にすることがある。そういった状況も上に書いたと同じような展開で生まれてくるんだろうな。 私も以前(15年くらい前)は喫煙(通算3年くらい)していた。ちなみに私は「禁煙しよう」と思って煙草を止めたわけではない。体質に合わないのかいつのまにか止めているのだ。もしかしたら、煙草吸いで肺ガンで亡くなった祖父が天国からそうさせているのかもしれない。 喫煙していた時は、ポケット灰皿なども持ち歩いてマナーには気を使ったつもりだったが、迷惑かけたこともあったんだろうなぁ。(今更、反省・・・) |