【 虫こぶ(むしこぶ) 】

私が子供の頃は、秋の山に行って栗やアケビやエビヅルなどを採ったものでした。
そのような収穫物の一つに、名前は知らなかったけれど、葉っぱの表面にくっついた小さな球形の果実のようなものがありました。
アケビやエビヅルと違って、それは頻繁に口にするものではありませんでしたが、甘酸っぱい味がしたように思い出されます。

ところが数年前に、「それは『虫こぶ』というもので、中には虫の卵が入っている。」ということを聞きました。
びっくりしましたが、その時は話だけで終わり、確かめることもなかった・・・。

調べてみると、やはりそのようで、私が口にしたものは「ミズナラの葉に出来た『ナラハヒラタマルタマフシ』の虫こぶ」のように思えます。
ただ、「ナラハヒラタマルタマフシ」がどういう昆虫なのかは分かりません。

こうなると、自分でやるしかありません。
実際に確かめてみようと思い、虫こぶを採取しました。


虫こぶについて、Wikiでは次のように解説しています。

虫こぶ(虫瘤、英: gall)は、植物組織が異常な発達を起こしてできるこぶ状の突起のこと。虫えい(ちゅうえい)ともいい、英語カナ読みのゴールが使われることもある。それらはさまざまな寄生生物の寄生によって、植物体が異常な成長をすることで形成される。

(2014年10月1日〜25日)

10月1日、裏山で虫こぶを

コナラ
見つけました。

上の画像もそうですが、虫こぶは葉脈の

中心に

虫こぶ
付いています。
 

観察するためには葉が枯れてはいけないと思い、枝を水に浸けました。

虫こぶの中がどうなっているのか、

半分に切ってみました。

さらに半分にしました。

まだ赤くなっていないものも、

同様に
 

切ってみました。

もう一つ、

虫こぶ 断面
切ってみました。
下に10月25日に採取し直したものの断面がありますが、それに比べると、この段階のものは「果実の中心に種がある。」というように見えます。

久しぶりに、口に入れて噛んでみました。でも、飲み込めなかった・・・(^^;。
子供のころ食べた印象は、もっと甘いものだったような・・・。

10月9日の様子ですが、乾燥しているようで、

皺が出てきました。
 

さらに、このような状態になったものも・・・。
これではダメだと思います。

虫こぶ(むしこぶ)
そんなわけで、10月25日に、

虫えい(ちゅうえい)
もう一度採取して、

水に差しました。

むしこぶ
この段階のものを

半分に切ってみましが、10月1日のものとは全く違います。
中心部は「果実の種」にも見えますが、虫眼鏡で拡大してみると虫の幼虫のようにも見えます。
(断面が一部黒くなっているのは、恥ずかしながら、カッターが汚れていたためです。)
 

中心部を取り出してみました。

種というより、幼虫を包んでいる小部屋のようです。

幼虫のように見えるものを取り出してみました。

幼虫のように見えるものを、

潰してみました。
プチッという感じで潰れて、このようになりました。
これは植物の感触ではありません。
さて、あの虫こぶがこの後どうなるのか、とても興味深いところです。

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