八珍柿を使って樽柿(たるがき)作り
「越後七不思議(えちごななふしぎ)」と言うのがあって、越後国(現在の新潟県)に伝わる珍しいことがらを7つ集めたものだそうです。
ここで紹介する「八珍柿(はっちんがき)」は渋柿の品種で、正式名は平核無柿(ヒラタネナシガキ)と言い、実の中に種のできないカキの変種です。
この八珍柿は「越後七不思議の次に珍しい」の意から「八珍」と名づけられたのだそうです。
うちの庭にも(多分)60年以上経った八珍柿の木があって、毎年実を着けます。
上述のように渋柿ですから渋抜きをしないと食べることができませんが、そのやり方の一つにアルコールを利用する方法があります。
焼酎にヘタの部分を浸してポリ袋に入れ、密閉しておくと1週間ほどで甘くなります。この辺りではそうして渋抜きしたものを「樽柿(たるがき)」と呼びます。
本来の樽柿の意味は、渋柿を空いた酒樽に詰め、樽に残るアルコール分で渋を抜いて甘くした柿の事を指すようですが、アルコールで渋抜きするという点から焼酎を使った渋抜き柿をそう呼んでいるのだと思います。
八珍柿を使った樽柿は種が無いから食べやすくとても甘い柿なのです。
ちなみに新潟県佐渡市の名産「おけさ柿」は八珍柿も使っている(早生は別の種類のようです)ようです。
(2017年10月)