富有柿(その1)
親戚が家に植えている富有柿の実を貰って食べ、種を眺めていた時ふと、種を植えてみようと思いました。
柿の季節は秋なので、植えるのは翌年の春です。
2020年に植えたうちの2本が順調に育ち、そのうちの1本(柿Aとします)は2023年に4~5個の花をつけました。
その時は柿の実は生らなかったのですが、2024年には柿Aにけっこう沢山の花が咲いたので、今年は食べることができるだろうと期待しています。
ところで2本の柿木は見た目が違うように感じます。
そう思っているうちに、もう1本の柿木(柿Bとします)にも一つだけ花が咲きました。
柿Bの花は柿Aと異なるのです。
ネットで検索したところ柿Bの花は雄花ではないかと思われます。柿Aの花は雌花のようです。
「富有柿は、雌花だけで実をつけることができる品種です。富有柿は単為結果性があるため、受粉がなくても果実をつけることが可能です。」との解説がある一方で、「種から育てた場合、品種の特性が変わり、親木とは異なる形質を持つ実がなることがあります。」との解説もあります。
柿Aがどんな実を着けるのか・・・、富有柿に限りなく近いものになってくれれば良いのですが。
農研機構のサイトには次の解説がありました。(https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/fruit/054554.html)
1)完全甘ガキ
カキは、樹上で自然脱渋(だつじゅう)する甘ガキと、食べるためには脱渋処理をする必要がある渋ガキに分けられます。甘ガキは、種子の有無にかかわらず自然脱渋する完全甘ガキと、種子が多く入ると果肉に褐斑(かっぱん)が多量にできて自然脱渋する不完全甘ガキに分けられます。「富有」や「次郎」は完全甘ガキです。
2)受粉樹
カキには雌花のみを着生する品種と、雌花と雄花の両方を着生する品種があります。「富有」は雌花しか着生しませんが、種なし果実は早期落果を生じやすいため、「禅寺(ぜんじ)丸(まる)」など雄花を持つ品種を受粉樹として混植する必要があります。
3)早期落果と後期落果、単為結果力
カキの結実性を決める主な要因は、7月までに生じる早期落果と8月以降に生じる後期落果です。早期落果は、種なし果実が結実する能力(単為結果力)と種子の入りやすさ(種子形成力)という2要因の品種間差異で決まります。「富有」は単為結果力は低く種子形成力は高いので、受粉樹を混植して果実に種子が入れば安定生産できますが、受粉樹がない条件では早期落果を生じやすくなります。単為結果力が高い品種は受粉樹を混植する必要はありません。一方、後期落果は単為結果力や種子形成力とは無関係に発生します。後期落果が生じやすい品種では、収穫期近くになって落果が生じ、収穫減につながります。
(2020年~2024年)